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エロ漫画の巨匠「江川達也」男の乳首を追求したのは俺が元祖
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.12 20:00 最終更新日:2019.05.12 20:00
「男の本性」「売れるため」「表現への挑戦」−−。さまざまな理由で「エッチ漫画」に取り組み、伝説を残した創造者たち。18禁の成人誌ではなく、一般誌を舞台に、斬新な表現を追求してきた漫画家・江川達也に、闘いの歴史を聞いた。
「普通のラブコメだけど、なぜか異様に変態的なエロになっていく。『東京大学物語』は、あなたのエロのキャパシティがわかる漫画なんです」
同作は、江川の代表作のひとつであり、累計発行部数約2000万部を記録している。
「どのシーンで作品から離れるかで、読者の許容度を測ることができるんですよね。『今までの価値観とはなにか、今までの固定観念を崩したい』という狙いでした」
東京大学を目指す秀才・村上直樹と、同学年の水野遥。上京した村上は、遥のことを想いながらも、数多くの女性とHを繰り広げていく。序盤のクライマックスが、東大受験の前日、村上と、遥のクラスメイト・英里との初体験シーンだ。
「このシーンは、『女性が男の乳首を舐めること』に市民権を与えたと思っています。それまで男の乳首は、『気持ちいいもの』と認識されていなかった。『東京大学物語』を読んで気づいた人も多いと思うし、AVでもそういうシーンが増えてきた。
主人公の村上直樹は、『ペチャパイの女性』のように描いているんです。男の乳首を一生懸命描いたマンガ家は、俺が最初ですよ(笑)」
『東京大学物語』には、江川が独自のフィールドワークや分析をもとに編み出した、「エロの理論」を注ぎ込んだ。
「エロは、ストレスが解放されることによって生まれるんです。作品に出てくる受験も、すごくストレスが溜まるでしょ。小さいコマの連続や、村上の膨大な独白を入れたのも、読者にストレスを加えるための実験でした」
青年誌を舞台に、Hシーン満載の作品を発表することをどう考えていたのか。
「もともと、『水野遥』という女性の恋愛と結婚、出産と子育て、そして死までを描きたかったんです。Hシーンはそこで避けては通れないもの。
村上? たまたま読者にウケたから主人公になったにすぎない(笑)。だからか、この作品でオナニーしていたという女性も多いんです。それだけリアリティがあったということなのかな」
本誌記者(女性)もお世話になったひとりです、と告白すると、「嬉しいな、それ書いといてよ(笑)」と、“してやったり” の表情の江川だった。
えがわたつや
1961年生まれ 1984年デビュー。『BE FREE!』『まじかる☆タルるートくん』『日露戦争物語』などヒット作多数
(週刊FLASH 2019年4月23日号)