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漫画家・柳沢きみお『只野仁』の悪役で男の本性を描く
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.13 20:00 最終更新日:2019.05.13 20:00
「男の本性」「売れるため」「表現への挑戦」−−。さまざまな理由で「エッチ漫画」に取り組み、伝説を残した創造者たち。18禁の成人誌ではなく、一般誌を舞台に、斬新な表現を追求してきた漫画家・柳沢きみおに、闘いの歴史を聞いた。
「Hシーンは、読者への大切なサービスだと思って描いています。最初のころは『こんなものを俺は描いていて』と、朝起きると落ち込んだりしていましたが、今では楽しむようになってしまいました」
もともとは『翔んだカップル』など、思春期の揺れ動く心を描いた「ラブコメの名手」である柳沢。
一方の『特命係長 只野仁』は、大手広告会社の窓際係長が夜になると豹変し、腕力と下半身でトラブル処理をしていく、エッチな作品だ。ヒット作『形式結婚』など、平成に入りHの描写が増えたが……。
「自分ではよくわからないですねぇ(笑)。ただ、エッチな描写にいちばん力を入れた作品と問われれば、『只野仁』ではないでしょうか。ヌード写真をときどき参考にしています」
作品に登場する女性はみんなグラマラス。悪役はどこか情けなく、下半身や女性関係に悩みを抱える。一見、荒唐無稽なストーリーに、つい共感してしまうのはなぜなのか。
「どうなんでしょう。『男の本性はこうだよなァ』と思って描いているからでしょうかねェ」
やなぎさわきみお
1948年生まれ 1970年デビュー。『特命係長 只野仁』はテレビドラマでも大人気
(FLASH DIAMOND 2019年5月30日増刊号)