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How to形式で学べる漫画『ふたりエッチ』誕生の秘密は…
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.15 20:00 最終更新日:2019.05.15 20:00
「もともとは少女漫画家になりたくて、『花とゆめ』でデビューしました。その後『サンデー』の担当者にお世話になりラブコメを描きましたが、難しかったですね」
こう話すのは、漫画家の克・亜樹氏。
週刊誌連載をこなし、単行本はコンスタントに10万部を超えるものの、大ヒットとまではいかなかった。そしてデビュー14年めの1997(平成9)年、いよいよ『ふたりエッチ』が始まる。
「エロを正面から描く恥ずかしさもあり、ためになる『うんちく』を第1話のネームに入れたんです。すると編集部からOKが出て、現在も続くグラフや記事の引用を入れるスタイルが決まりました」
第1巻は4万部からのスタートだったが、単行本が15巻に達したころ、累計で100万部を超えた(現在は2700万部)。
「ちゃんとキャラクターがいて、How to形式でセックスが学べるマンガは、今までになかったと思います」
20年を超える連載は、並み大抵の努力ではできない。
「『ふたりエッチ』と同時進行で常に連載をしていて、週に一度の休みにはネームをしていました。広い仕事場を持てましたが、とてもお金を使う暇はありませんでした」
ここ数年でヒロイン・優良は、不妊治療を経て、無事に妊娠、出産を果たした。現在は、子育て中の性のお悩み相談マンガという一面も持つ。
「不妊や妊娠中の性格の変化は読者の反響も大きかったですね。ファンの方も作中のキャラクターと一緒に年を重ねて、最近では2世代にわたって読んでくださる家庭もあります」
今後、主人公の真と優良はどうなっていくのだろう。
「編集部からは『100巻までは続けてほしい』と言われています(笑)。ただ、数を決めてできるものではないので、ネタがなくなれば終わりです。途中、ネタ切れで何度もやめようと思いましたが、今となれば続けていてよかったですね。
いつまでも男性が『ふたりエッチ』でエッチのテクニックを勉強して、女性に『どこで覚えてきたの』と言われるマンガでありたいです。
(登場人物の)真と優良さんには幸せに年をとってほしい。でも、いちばん幸せなのは、平成が終わるまであのふたりを描けた僕かもしれませんね」
かつあき
1961年生まれ、1983年デビュー。『ふたりエッチ』78巻が発売中。同作の実写映画2作が4月と5月に連続公開
(週刊FLASH 2019年4月23日号)