夜バナ
エロ漫画の巨匠・弓月光、『甘い生活』は規制への嫌がらせ(笑)
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.20 20:00 最終更新日:2019.05.20 20:00
「男の本性」「売れるため」「表現への挑戦」−−。さまざまな理由で「エッチ漫画」に取り組み、伝説を残した創造者たち。18禁の成人誌ではなく、一般誌を舞台に、斬新な表現を追求してきた弓月光に、闘いの歴史を聞いた。
「僕が少女漫画で描いていた主人公は皆、ワガママで自由奔放。男に都合のいい女は描かなかった。女のコを好きなように描いていたら、青年誌でエッチな漫画を描くことになってしまったんです」
少女漫画家としてデビューした弓月光。少女漫画時代にも、下着姿のシーンなどは多く描いていたという。
「『かわいい女性主人公が、じつはすごいスケベ』というネームを描いたら、青年誌じゃなきゃ載せられない話になってしまいました。
ラブコメって、男女がくっつくまでの話が多いのですが、僕はくっついた後のことを、エッチ込みでしっかり描きたかったんです」
美少女がひたすらエッチな姿を披露する『みんなあげちゃう』は、1982年に『週刊ヤングジャンプ』で連載が始まるやいなや、たちまち大人気となった。
「いちばん驚いたのは、表紙の画を描き下ろして、本編を落としてしまった週のこと。作品が掲載されていないのに、読者アンケートが1位になっていたのです(笑)」
自身のエロ描写に対するこだわりを聞いた。
「参考資料などは見ないで、自分の頭の中だけの想像で描くことを心がけています。あとは下品になりすぎない、明るいエッチ。
僕の描く女性は外国人っぽく見えるので、そこも明るく感じられる要素だと思います。とことん明るいエッチを突きつめて、笑えるギャグまで昇華させることに注力しています」
昨今の性描写規制の動きには、思うこともあるようだ。
「私も過去に、2作品が有害図書指定されました。『それなら』と規制を逆手にとって、絶対にHをしない主人公を生み出したんです」
それが『甘い生活』の江戸伸介だ。大手下着メーカーを舞台にしたランジェリーだらけのラブコメディは、現在まで30年近くにわたり描き続けられている。
「いっさい本番をしなくても、女性をイカせるしエロは描けるだろうと。完全に規制への嫌がらせですよ(笑)。
規制があろうと、無理に作風を変えると、画に無理が出るんです。セクシーを突きつめ、笑いに変えるという姿勢は時代が変化しても変えるつもりはありません!」
ゆづきひかる
1949年生まれ 1968年デビュー。作品の累計部数は「10年前に4000万部を超えた」という
(週刊FLASH 2019年4月23日号)