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【数字は踊る】中国のお札から性病が!?紙幣はこんなに汚い!
連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.08.24 13:00 最終更新日:2016.08.24 13:00
●何でもありの中国
広大な国土に13億の人口。世界4大文明の発祥地のひとつであり、人類の歴史を創造してきた偉大なる国。起きる出来事もスケールが違う。
数年前には事故を起こした高速鉄道の車両を、調べもせずに現場の高架下に埋めたこともあった。日本でも話題になった、紙幣からSTD(性感染症)に感染したというニュースもそのひとつだ。
浙江省温州市の30歳の女性銀行員がある日、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染したというのである。ヒトパピローマウイルスは、最も一般的な生殖器のウイルス感染症だ。彼女は毎日大量の紙幣を扱う。その手を洗わずにトイレで用を足したのが原因とされた。
だいたい、中国人は手を洗う習慣が乏しく、4年前に中国衛生部が公表した「全国住民手洗い状況白書」によれば、手洗いのできている住民は4%にすぎなかった(世界保健機関提示の手洗いの方法が基準)。
STD感染のニュースの信憑性はともかく、紙幣や硬貨が細菌の巣であることは間違いない。
2013年に香港城市大学細菌学研究センターが、アジア各国の紙幣に付着している細菌の数について調べた。その結果、中国の人民元は1枚あたり平均17万8000個の細菌が付着しており、アジアでいちばん不潔な紙幣だった。
2位が香港とカンボジアの紙幣で1万個だから、その差がすごい。流通頻度の高い1元(約20円)、5角、1角(約2円)の各紙幣は細菌数が1800万個に達していたものもあったという。
桁数が違いすぎるのでやや疑問だが、それにしても、有難味が薄れる紙幣である。
●円は大丈夫か?
度合いは違うものの、どこの国の紙幣も汚ない。2012年の末にオックスフォード大学とマスターカードが提携して欧州15カ国の紙幣を調査したが、紙幣1枚に平均で2万6000個のバクテリアが付着していた。
いちばん汚なかったのはデンマークのクローネ札で4万266個、次いでスウェーデンのクローナ札の3万9600個。欧州でいちばんきれいだったのはユーロ紙幣で1万1000個だった。
調査をしたオックスフォード大学のトンプソン教授は、「2万6000個のバクテリアは、感染を広めるのに十分な数」とコメントしている。
では、日本の円はどうか? 同じような調査が2013年の5月に「衛生微生物研究センター」によりおこなわれている。東京23区内10カ所の店舗でお釣りとしてもらった1000円札、100・50・10円硬貨、それぞれ10点の細菌の付着量を調べたものだ。
それによると、1000円札の汚染細菌の付着量は最少で62個、最大で440個だった。
しかし、10枚のうちの2枚からは土壌細菌のひとつであるセレウス菌が検出された。セレウス菌は、腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌と同様、厚生労働省が細菌性の食中毒病因物質として指定しているものだ。
一方、硬貨は100円と50円には一定量の汚染細菌が付着していたが、10円は検出限度以下だった。検査方法の違いもあるだろうが、円の不潔さ加減はそれほどでもなさそうだ。しかし危険な菌も付着している。
やはり、お金にさわった後は手を洗うのがいちばんだ。それから、指先をなめてお札を数えたりしないことだ。被害者になるだけでなく、ときには加害者にもなりかねない。
(週刊FLASH 2015年8月18日、25日号)