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【数字は踊る】競争馬は億単位のギャンブル

連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.09.14 20:00 最終更新日:2016.09.26 14:11

【数字は踊る】競争馬は億単位のギャンブル

 

 10月から秋競馬が始まる。12月25日の有馬記念まで、GⅠレースが12レースも組まれている。競馬はギャンブルだ。熱くなればひどい目に遭うこともある。

 

 しかしそれは、馬券を楽しむファンだけでなく、馬主にとっても同じだ。競走馬を買うこともギャンブルである。こちらは「賭け金」が違う。下手をすれば億という金が紙くずになる。

 

 例年どおり今年も7月に、日本競走馬協会が主催する日本最大のセリ市「セレクトセール」が開かれた。このセリ市は、名馬を多く輩出している社台グループをはじめ国内の生産者が最高レベルの馬を上場するため、落札価格が高額になるので有名だ。

 

 今年は1歳馬のセリでトップが2億6000万円だった。これまでの最高額は、2006年に牝馬のディナシーにつけられた6億円である。

 

 落札額には血統が重視される。現在日本で活躍している馬の多くがサンデーサイレンスという偉大な種牡馬の血を受けついでいる。サンデーサイレンスは2002年に死んだが、後継種牡馬としてサンデー産駒のディープインパクトが大活躍中だ。

 

 2500万円という途方もない種付け料で年間250頭に種付け=62億5000万円のビジネスだ。種付け料が高いのだからディー
プの仔は当然高い。今年は上位6頭がディープ産駒である。

 

 ちなみにディープインパクト自身の落札価格は7350万円で、獲得賞金は14億5455万円。しかしサンデーサイレンスやディープインパクトの仔で、過去に高額で落札された馬が必ずしも活躍するわけでもない。

 

 史上2位の4億9000万円で落札されたザサンデーフサイチはサンデーサイレンスの仔だが、41戦3勝、獲得賞金7196万円で終わった。2011年に1歳馬として史上最高額となる3億6000万円で落札されたラストグルーヴはディープインパクトの仔だが、体が弱く1戦1勝。獲得賞金600万円だった。

 

 では獲得賞金の上位はどうか。2位のジェンティルドンナの獲得賞金は17億2603万円で落札額は3400万円。3位のオルフェーヴルは獲得賞金15億7621万円で落札額が6000万円、4位のブエナビスタは獲得賞金14億7886万円で落札額は4000万円。

 

 そして18億3518万円という日本最高の獲得賞金を誇るテイエムオペラオーは、血統が嫌われてセリの落札価格は1000万円だった。

 

 一方で、前述の6億円馬・ディナシーは未出走で獲得賞金は0。1000万円で買った馬が18億円稼ぎ、6億円で買った馬は0円の稼ぎ。馬主のギャンブルは桁が違う。

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