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セミナー超満員「子宮系女子」セックスも不倫も本能に従え!
連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.12.14 20:00 最終更新日:2016.12.14 20:00
「美人は子宮でつくられる」!
土曜の朝、『王様のブランチ』(TBS系)を観ていた写写丸の頭に「?」が浮かんだ。そんな題名の書籍(大和書房刊)がベストセラー1位なのだ。
調べると前作も6万部とヒット。どうやら「子宮系女子」なる分類があり、子宮の声を聞けば、人間関係や仕事、金銭面もうまくいくという。
11月、「子宮系女子」たちのカリスマ、子宮委員長はるさん(31)のセミナーが都内で開催された。参加費は4900円(書籍つき)と安くはないが、用意された200席は完売だ。
「カワイイ~!」
黄色い声と、携帯カメラの音。セミナーは質疑応答形式で、「一人エッチで満足するには?」「お婆ちゃんになってもやりたい?」といったきわどい質問が飛び交う。
老化が気になる、という悩みにはるさんは、「子宮と対話していれば、そんな不安な気持ちにならないはず」(会場ため息)。
はるさんは元風俗嬢。「副業」がバレて会社をクビになったり、子宮筋腫を発症したりと体も心もボロボロのとき、突然「子宮の声」を聞いたという。
「それからは、頭ではなく子宮で感じることと向き合い、講演やブログで発信するようになりました」(はるさん)
子宮で考えたことは「本当の自分」で、頭で考えたことは「偽りの自分」。浮気をしたくなるのは、子宮の“無視しないで”のサイン。あなたは悪くありません、というわけだ。一方、『反オカルト論』(光文社新書)の著者、高橋昌一郎・國學院大學教授はこうみる。
「子宮という『女性の原点』に着目したのは興味深い。性的刺激を与えればホルモンが分泌され、健康に影響があることも、科学的にわかっている。ただ、それで『運気が上がる』と謳うのは、オカルト的な発想ですね」
セミナー前にはるさんの意見を聞いた。
「『子宮の声』と聞くとギョッとするでしょうが、昔から『肚(はら)の主』っていうじゃないですか。要は、それと一緒なんです。
ただ、『子宮』としたほうが、女性専門になる。あたしだって『女性の人権』って叫びたかったけど、それだと権利、権利って怒ってる女性を増やすばかり(苦笑)。
『女性が女性を大事にする』方法を考えたとき、『あれ、もしかして子宮かな』って」
はるさんは子宮から「孕(はら)まされたい」という声を聞き、誰が父親かわからない赤ちゃんを産んだ。現在は妊娠中に出会った別の男性と入籍している。
自由な生き方が、女性の共感を集めているのか…。現代のスピリチュアル現象を研究する橋迫瑞穂・立教大学兼任講師は、ブームの背景を分析する。
「いまの日本で、結婚・出産は『賭け』。はるさんは、『思い切って産めばハッピーになれるよ』と背中を押してくれる存在なのでしょう。けっして『色物の流行』とは思わないほうがいい」
ほぼ唯一の男性客として、少し空恐ろしい気分で会場をあとにした写写丸であった。
(週刊FLASH 2016年11月22日号)