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【そっくりさん】番外編「ドッペルゲンガー」を見る不思議連載 2017.01.04

dopperu

『写真:AFLO』

 

 年末年始、【そっくりさん】特集をしているが、自分のそっくりさんを見るというのはどういう気持ちなのだろうか?  ドッペルゲンガーというドイツ語がある。馴染みがないだろうが「分身」のことであり、同じ人物が同時に複数の場所に姿を現わす現象や、自分がもう一人の自分を見る現象のことだ。

 

 これは死の前兆ともされ、自らの分身を見た者は、じき死ぬといわれてきた。

 

 ゲーテ、モーパッサン、シェリー、エリザベス1世、エカテリーナ2世、リンカーン、芥川龍之介などがドッペルゲンガーを見たといわれるが、ゲーテを除いて自らの分身を目撃した後、比較的早くに亡くなっていることもあり、噂の真実味を増すのに一役買っている。 「冬来たりなば春遠からじ」の詩で有名なイギリスの詩人シェリーは、1822年に船の転覆事故で30年の短い人生を閉じたが、死ぬ前にドッペルゲンガーを何度も見たと妻のメアリーに語っている。

 

 メアリーはあの『フランケンシュタイン』の作者でもある。想像力の豊かな2人だけに割り引いて考える必要があるかもしれないが、シェリーは自らの分身に話しかけられたともいう。また、彼のドッペルゲンガーは友人にも目撃されたことがあった。

 

 リンカーンも鏡の中に映る分身を見たと妻に話している。ただ、リンカーンの場合は目に影響を与える遺伝子疾患や、うつ病を患っていたことが知られている。

 

 モーパッサンや芥川龍之介がそうだったように、ドッペルゲンガーを見た者は精神を病んでいることがある。また、脳腫瘍はできた箇所により、もう一人の自分が存在するかのような錯覚を起こすことがあるといわれる。

 

 ただ、芥川の場合は家にいるときに、銀座を歩く姿を友人たちに目撃されたともいう。

 

 ドッペルゲンガーを見ることは病気のほかに、虚言の可能性もあり、他人に分身を目撃されたケースも、よく似た人と見間違えたことが考えられる。

 

 しかし、フランス人のエミリー・サジェの場合は、これらのケースにあてはまらない。なにしろ彼女の場合は、多くの生徒たちに自分自身と分身を同時に目撃されているのだ。それも1回や2回のことではない。彼女自身には分身がいる自覚はなかった。

 

 1845年、32歳のエミリーはラトビアの名門校であるノイベルケ寄宿学校に教師として赴任した。ところが、しばらくすると生徒たちが、エミリー先生が2人いると騒ぎだした。

 

 フランス語の授業中にもう一人のエミリーから数学を教わった、鏡に2人の先生が映っているのを見た、黒板に字を書くときにもう一人の先生が同じように字を書く真似をしていた等々である。

 

 驚くべきは、教室にエミリーが座っていて、窓の外の花壇にもう一人のエミリーがいるのを教室にいる42人の生徒全員が目撃したというのだ。

 

 どちらが本当の先生なのか、確認するために一人の生徒が教室内のエミリーに触れたところ、垂れ幕を押したような感触だった。もう一人の生徒はエミリーが座っている椅子と机の間を通ったが、なんの抵抗もなく通り抜けられた。

 

 それで、花壇のエミリーが本物だとわかったというのだ。教室内の分身は次第に姿が薄くなり、やがて消えたという。  彼女は16歳で教師の資格を取ったが、行く先々の学校でドッペルゲンガー騒ぎが起き、そのために16年間に19校も転々としなければならなかった。

 

 寄宿学校でも噂が保護者にまで広がり、辞めざるをえなくなったエミリーだが、残念ながらその後の消息は不明で、分身の真実は解明されずに終わった。

 

 世の中は不思議に満ちている。まずは鏡に注意しよう。

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