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【ニャイス・トゥー・ミート・ユー!】学習塾の塾長
連載FLASH編集部
記事投稿日:2017.06.10 16:00 最終更新日:2017.06.12 21:52
「強く、優しく、豊かな心を持った人間を育てる」という理念の下、2013年12月に開講した「昇学塾」。小学生から高校生まで約50人の生徒が通っている。
この学習塾がほかと違うのは、塾長をねこが務めているところ。生徒のお出迎えやお見送り、教室巡回などが塾長の“業務”だ。
「ねこ塾長」のしょうが初めて姿を見せたのは、開講する2週間前のこと。
「交通事故に遭ったのか、背中から尻尾にかけて、大怪我をした状態で、迷い込んできたんです。おそらく生後半年くらいでした。数日後に保護し、病院で手術などを受けて、ここで飼うようになったんです」(塾を経営する山元英樹さん・以下同)
しょうが塾に住み込むようになって、いちばん喜んだのは塾の生徒たち。怪我の回復が遅く、体調が悪化していたしょうを心配して、お小遣いをはたいてベッドを買ってきたり、家から毛布を持ってきたりする生徒もいた。
こうして半年後、看護の甲斐あってしょうの怪我は完治。晴れて塾長となった。当時、中学3年生だった生徒たちとは、高校合格祝いの遠足にも同行。いっしょにバスに乗り、みんなで楽しい時間を過ごしたこともある。
山元さんは、しょうを引き合いに出して生徒たちによく語る言葉がある。それは「為せば成る」だ。
「しょうの怪我は、もしかしたら治らないのではと思ったこともありました。でも、あきらめずに治療を続けたことで、いまではこんなに元気になりました。生徒たちにも、しょうを見習って、何事もあきらめてほしくないと思っています」
何人かの生徒に話を聞くと「しょうくんがいるから塾に来るのが楽しくて。勉強する意欲も湧いてきます」「しょうくんのおかげでテストが頑張れました」との答えが。
人間の先生に負けず、生徒たちのお手本となっているみたい!
(週刊FLASH 2017年3月14日号)