連載
吉田戦車「ジムサック」買って、なにやら若返るような喜び
連載FLASH編集部
記事投稿日:2017.12.20 11:00 最終更新日:2017.12.20 11:00
冬になれば多量の発汗もなく、クロスバイク乗車時のカバンは、背中の通気性など特にない普通のデイパックでOKになる。
なるのだが、より身軽な他のバッグを使いたい時もある。ウエストバッグだ。
大きめのウエストポーチ的な、サイフ、スマホ、折りたたみ工具(買った。1660円)など入れたうえで、500mlのペットボトルが入ってまだ若干余裕がある。そういうサイズ。長年使いこんでヨレヨレだが、まだ使える。
自転車のフレームにボトルホルダー(792円)をつけたので、ペットボトルをバッグに入れる必要はないし、そうなると、干しワカメ1袋とか塩鮭1パックぐらいなら腰につけて持ち帰ることも可能だ。
バッグが重くなり、下腹の締めつけがいやになったら、ななめがけにすることもできる。小さいので、片方の肩にだけ荷重がかかるのもさほど気にならない。
ただ、そこに納まらないものを買いたくなることがけっこうある。
雑誌とか新聞とか、大根とか酒とか、走りながらいろいろ買いたいものを思い出してしまい、やっぱりデイパックにすればよかった、と思うことがたびたびある。
そんな買いもの好きカゴなし自転車おやじの目に飛びこんできた商品があった!
場所はスポーツ用品店。たまにアウトドアコーナーに、「何か欲しいものなかったっけ」と見に行く店だ。
ふだんはまったく足を向けない、バスケ、サッカーなど球技系コーナーを、見るともなしに見ていると、「袋もの」コーナーが目に入った。1つ手にとってみる。ジムサック、というらしい。
運動部員がユニホームや道具をざっくり入れて登校し、汗や泥で10倍ぐらい重くなったのを詰めて持ち帰る。そんな用途の袋のようだった。
中に品物を入れてヒモをきゅっと締める。ただの巾着袋ではなくて、ヒモが左右に分かれており、背負えるようになっている!
小学生のころ「ナップサック」と呼んでいた、アレだ。
しかも1番シンプルなものは、かなり薄く折りたため、ウエストバッグにも余裕で入るぞ!
さっそく買った。972円。運動部用グッズを買うことに、なにやら若返るような喜びがある。
そして、さあ買いもの本番だ。
日本酒4合、塩鮭、インゲン、キュウリなどを買い、ウエストバッグから出したジムサックに詰めていく。まったく余裕。
背負って自転車をこいでみると、さすがに背中にゴツゴツあたるけれど、左右にずれて困るということはない。腰の上あたりにちゃんといてくれる感じ。
ヒモが肩に食いこむし、長時間だといやだろうが、20~30分くらいならなんとかなる。
これはいい。自転車を身軽に乗り回して、帰りに近所の店でお買いもの、という場合に、ウエストバッグ&ジムサックはすばらしい。
いい買いものをしたね、オレ。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2017年12月26日号)