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運動不足の「吉田戦車」ダンベル買うもやっぱり三日坊主
連載FLASH編集部
記事投稿日:2018.02.28 06:00 最終更新日:2018.02.28 08:18
ダンベルダイエットの本を買ったのは30歳ぐらいの頃だった。3、4冊買ったと思うが、今は2冊だけ残っている。
何をどれだけ食っても太らなかった、青年期の基礎代謝がどんどん下がり、太り始めていたからだった。
18歳のとき57キロだった体重が、あっという間に60キロ超えちゃった、あれあれ、海外旅行で64キロいっちゃったー、という、トントン拍子な感じは忘れられない。
雑誌「Tarzan」を読んで、腕立て伏せ、腹筋、ジョギングなどを試みて、三日坊主でやめたりもした。
その一環として、3キロと5キロのダンベルを1セットずつ買ったのだった。
そして三日坊主で終わった。三日坊主が趣味なのではないか? と思うほどだった。
あまり使わなかったそのダンベルは、その後引っ越しの時に処分した。恥ずかしいほど重い不燃ごみだった。体重は、一番重い時で、67、68キロぐらいあったと思う。
70キロの大台に突入する前に引き返せたのは、自転車に乗り始めたからだった。当時居住エリアだった多摩川沿いや、仙川、野川沿いを走り回っているうちに、65キロあたりに定着した。
50代になってまわりを見渡すと、中高年の筋トレ愛好者はけっこう多いように見える。ライザップとやらで鍛えてる人もいますな。遊歩道や公園に行けば、ジョギング、ランニングをしている人も多い。
体の機能がいろいろおとろえ始めているが、まだまだつく筋肉もあり、向上する機能もある、ということで、中年は筋トレやランニングにはまるのだと思われる。
今お前はどうなんだ、と問われれば、明らかに運動不足だ。7年前に、やっぱり肩こり防止などのためにダンベル必要かも、と思い、あらたに3キロのものを1セット買っている。2300円。
その後7年間で何回使っただろうか。トータルで1カ月も使っていないと思う。
趣味の三日坊主健在だ。運動不足気味ではあるが、ウォーキング的な散歩と自転車こぎで、最近は63キロ台に落ちついている。62キロ台になることもあるが、そこまで減らなくていい感じ。
これは健康のことを考えて、食生活を見直している効果もあるだろう。
甘いものとか炭水化物の単品食いは、たまのお楽しみに、ということになった。好きなものを好きなだけバリバリ食べていい人生は終わった。
あまりやせすぎても、しぼんでるみたいで不安なので、久々にダンベルをひっぱり出した。筋肉を増やそうというもくろみだ。
トレーニングというような大仰なものではなくて、仕事の息抜きに、眠気覚ましに、気合い入れに、なんとか習慣化してくれないかと思う。
自慢ではないが、私の三日坊主は手ごわい。
『ジョジョの奇妙な冒険』の<スタンド>みたいな、厄介な何かが自分の中にいる感じだ。
勝ちたい。坊主に。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年3月6日号)