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吉田戦車「タオルマフラー」を首に巻こうとして娘に取られる

連載FLASH編集部
記事投稿日:2018.03.07 16:00 最終更新日:2018.03.07 16:00

吉田戦車「タオルマフラー」を首に巻こうとして娘に取られる

 

 タオル地のマフラーというものがあると知ったのは、15年ほど前、FC東京ファンの友人に連れられて、初めて味の素スタジアムにサッカーを観に行った時だろうか。

 

 青と赤のオフィシャルタオルマフラーを、みんなにこやかに首に巻いていた。

 

 そのころ私は温度計に凝っており、持参していたのだが、FC東京が勝利した瞬間、ホーム側スタンドの気温は5度上昇した。

 

 そんな場所ではウールやカシミヤのマフラーでは暑くてたまらないだろう(勝てば、だが)。タオル地の出番である。そのオフィシャルマフラーは買わなかったが、その後、愛媛県今治産のものを2本買い、ずいぶんヨレてきたが愛用している。

 

 タオルマフラーのいいところは、屋内で少し首筋が寒い時に巻けることだ。風呂用のタオルや手ぬぐいでもいいが、マフラー形状はやっぱり巻きやすい。

 

 今、家には2本のおニューのタオルマフラーがある。

 

 一本は山陽新幹線で運行を開始した「エヴァンゲリオン初号機モチーフの新幹線」柄のマフラー。その新幹線の画像を見てみたが、カッコイイ。「暴走って言うなw」という関係者の会話が聞こえるようだ。

 

 なぜそのマフラーがあるのかというと、ミサトさん=声優の三石琴乃さんが妻の伊藤理佐と懇意で(伊藤のキャラ「エビちゅ」のCVを担当している)、ヨシダさんにといただいたのだ※。もったいなくてとても巻けず、仕事場に飾っている。

 

 もう一本は昨年秋、埼玉県東松山市で買った。豚のカシラを焼いた「やきとり」で有名な東松山。行ったのは初めてだった。 

 

「日本スリーデーマーチ」という、ウォーキングの一大イベントが開催されており、岩手から両親が参加しに来ていたのだ。そこに、歩きにではなく、孫の顔を見せに行った。

 

 日中は好天だったようだが、我々が着いた時は、強風とともに黒雲がおしよせ、傘をさすほどではないが小雨が落ちてきて、肌寒かった。

 

 スタート&ゴール会場はお祭り広場状態になっていて、飲食店を含む屋台多数。それぞれの距離を歩きぬいた人々が(両親は最短の5キロコース)、寒い中うれしそうにガンガン飲んでいる。

 

 やきとりをかじり、ビールなど飲んだが、うまいが寒い。油断して薄着してきた。

 

 何か羽織るものは! と会場をぐるりと回って見つけたのが、四国から来ているブースの今治タオルマフラー(1000円)だった。「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」と書かれたタグがついている。「伯方の塩」の小袋のおまけつき。  

 

 四国のイベントのチラシも何枚かいただいた。

 

「讃岐うどんつるつるツーデーウオーク」ってのが楽しそうだなー、香川県ってまだ行ったことないな、などと考えながらタオルマフラーを首に巻こうとしたら、娘に「私が巻きたい!」と、とられた。

 

※「初号機」は、『エヴァンゲリオン』に登場する汎用人型決戦兵器。搭乗する掟シンジに生命の危機が迫ると「暴走」することも。「ミサトさん」は掟シンジの上官・葛城ミサト。

 

よしだせんしゃ 
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
 

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年3月13日号)

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