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吉田戦車が購入した「高菜の種のマスタード」ピリ辛で旨し

連載 投稿日:2018.04.18 11:00FLASH編集部

吉田戦車が購入した「高菜の種のマスタード」ピリ辛で旨し

 

 熊本県熊本市の「長崎書店」「長崎次郎書店」で、絵本関連の原画展を開催していただき、トークイベントとサイン会をした。

 

 到着後、関係者と大正13年建築の長崎次郎書店2階喫茶室でうちあわせ。カレーを食べる。私は自分から喫茶店に入ることはほとんどないのだが、ここは行けてよかった。

 

 たいへんながめがいい。

 

 熊本市電、新町電停にカーブしながら出入りする路面電車を見ていると、このまま4、5時間ぼーっとしていたい、トークショーとかバックレたい、という思いが湧きあがってくる。

 

 そうもいかず、長崎書店に移動してサイン会とトークショー。県内や宮崎県などからお越しのみなさま、どうもありがとうございました。

 

 翌日は帰りの飛行機まで時間があったので、熊本城をひとまわりした。震災の影響で、敷地はほとんど立ち入り禁止になっているが、石垣をじっくり鑑賞するにはじゅうぶんだ。

 

 不謹慎な言い方かもしれないが、その傷ついた姿は、熊本城が「巨大な何か」と戦った証しであり、不思議な感動を呼ぶのだった。

 

 地球が生きていること、その薄皮の上で、我々生物も懸命に生きていることなどを、あれこれ思う。

 

 売店で「熊本城復興Tシャツ」を買う。2200円(税込み)。売店のお姉さんに「これはいい生地なんですよ」といわれる。

 

 いつも旅先のみやげもの店などのTシャツは、生地がペラペラでも仕方ないと覚悟して買っているので、得をした気持ちになった。

 

 街に戻り、熊本市現代美術館で「熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト展」を見る。怪獣映画など特撮美術のプロたちが、1/20スケールで熊本城天守閣を再現するというプロジェクト。

 

 オレ得というしかない展示を見て、ホクホクしつつ、鶴屋百貨店で何か買うものを探す。

 

 この時期が旬の巨大なみかん、晩白柚があった。これ好きなんだよなー、と思いつつ、大きいのであきらめた。

 

 熊本ラーメンの持ち帰りも豊富なラインナップだが、今はもうラーメン類は「たまに外で食べるゴチソウ」と位置づけているので、それも断念。

 

 サイン会で、甘いものなどたくさんいただいたこともあり(書店から自宅へ発送してもらいました)、少々買いもの欲にブレーキがかかっていた目に、よさげなものが留まった。

 

 小びんに入っている。「阿蘇タカナード」30グラム768円(税込み)。

 

 高菜の種のマスタード? へぇーと思い、乾物などとともに購入。帰って味をみてみると、一般的な粒マスタードよりピリッと辛い。高菜漬けとひき肉を炒めたおかずに添えて食べたらすごくおいしかった。

 

 高菜はカラシナの変種で、かつてシルクロードを経て中国から入ってきたらしい、ということを知った。

 

よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年4月24日号)

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