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村田諒太が初防衛に成功!vs.ブランダムラ 試合レビュー。
I'm Ready!FLASH編集部
記事投稿日:2018.04.20 11:30 最終更新日:2018.04.20 21:27
WBA世界ミドル級王者・村田諒太の初防衛戦は、4月15日、同級6位のエマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)とおこなわれ、ミドル級では日本人初のタイトル防衛の瞬間を見ようと会場の横浜アリーナには1万1,000人のボクシングファンが駆けつけた。 リラックスした表情で18時16分に控室に入った村田はいつものように試合前の準備をこなし開始の時を待った。ジミー・レノン・ジュニアのコールで入場した村田は赤コーナーで挑戦者を迎い入れ、そして、21時15分、初防衛戦のゴングは鳴った。
「1ラウンド、2ラウンドはポイントいらないと思っていた。相手は序盤に右を振ってくる。やっぱり100%で振ってくれば、ブランダムラはKO率が低いといっても、ミドル級だったらダメージが残る。それをもらったら意味がないというか、賢くない選択」
村田は試合前に思い描いていた通りガードを高く掲げ、相手の動きを見ながら慎重に滑り出した。実際、試合後の採点を見てみると1ラウンドで1人、2ラウンドでは2人のジャッジが挑戦者にポイントを与えていた。しかし、挑戦者の力量を理解するのに、2ラウンドは必要なかった。初回に村田がジャブ、右ストレートを打ち込むと、ブランダムラの頭の中で警戒警報が鳴り響く。ディフェンス最優先の挑戦者を、村田が追いかける展開となった。
スタートから目を引いたのは村田のジャブだ。やはり練習はうそをつかない。思い起こせば、スパーリングでも盛んにジャブを出していた。
「スパーリング・パートナーに『村田は右が強いけど、左もうるさくてやっかい』とよく言われていた。こうして試合で使えるのは自信になる。攻めにつなげられたジャブだった」
ジャブは体が突っ込んで距離をつめすぎないためのポイントでもあった。「いいところを見せよう、倒してやろう」という気持ちから、距離を詰めすぎてしまうことを村田は心配していた。だから「焦らないで冷静に戦う」をあえてテーマに掲げ、何度も自分に言い聞かせていたのだ。
こうしてジャブが冴え、しっかり距離を取れれば右もいきる。ブランダムラは王者の右を強く警戒し、左ガードを高く掲げて対処したが、村田の右はガードの上からでも挑戦者にダメージを与えていった。