連載
吉田戦車タブレットスタンドを買ってIT化の歴史を回顧
連載FLASH編集部
記事投稿日:2018.04.25 06:00 最終更新日:2018.04.25 06:00
マンガの資料として、写真などの画像が必要なことがある。デジタル化時代の前にそれをどうしていたかというと、カメラで写真を撮り、現像に出してプリントしていた。
写真を撮れない被写体の場合は、図書館で画像が載っている本を探した。図鑑や絵本、雑誌もたくさん買った。今もかなり残っている。
カメラはキヤノン「オートボーイ2」を奮発して買ったが、現像に行く手間がなくていいなと思い、のちにポラロイドカメラを買った。
が、1980年代のポラロイドは携帯性に優れているとはいいがたく、なんだか人目が気になり、あまり使わずに終わった。
1993年に初めてパソコン「Macintosh LC520」を買った。インターネットはまだ普及前夜。使っていたのはワープロ機能と「パソコン通信」ぐらいであり、まだ画像検索どころではない。
数年後に「iMac」(初期の、ブラウン管のやつ)に買い替えたあたりで、ようやくインターネットで画像検索の時代到来。検索結果の粗い画像をプリンタで印刷して資料にした。
その頃はまだ携帯電話は持っていなかったが、カメラ的にはデジカメの時代になりつつあった。デジカメが便利なのは、小さいとはいえモニタがついているので、撮った写真を現像せず、そのまま資料にできることだった。
なので画素数もだけど、「モニタの大きさ」が購入の大事な決め手になっていたりしたのだ。その後世間の流行から少し遅れて、私も携帯電話を買った。折りたためないやつ。
カメラ機能はまだおまけ程度。モニタも小さいし、まだまだデジカメにはかなわなかった。そして時はあっというまに流れ(書いてていやになるほどあっというまだった気がするなぁ)、スマートフォンの時代となり、タブレットPCの時代になった。
私も流行から少し遅れながらもiPhone、iPadのユーザーである。デジカメも持っているが、カメラの主力はスマホに移った。で、ようやく表題の「タブレットスタンド」である。
いいという記事をネットで見かけ、100均で買った。
正式には「12ステップ タブレットスタンド」ということで、12段階に角度が調整できる。これが本当にすぐれものだった。ABS樹脂のボディは安っぽさがぜんぜんなく、カッチリした使用感が手にうれしい。
基本的に、絵がまちがっていてもあまり叱られない作風の私ではあるが、いちおうプロなので、たとえば仔イノシシを描く時はこれにタブレットを立てかけ、「ウリ坊の体のもよう」の検索結果を見ながら描くのである。
最近やはり100均で、スマホスタンドにもなる、フィギュアにも使える「ミニチュアパイプ椅子」というのを買ったが、スマホはいいけどタブレットは支えきれず、角度も調整できないため実用にならなかった。
普通にヒーローのフィギュアなど座らせて遊んでいる。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年5月1日号)