●占いは7割当たる?
占いは当たるか? 当たるならその確率はどれくらいか? 気になるところである。ところが、残念ながらそんな統計はない。そもそも占いは時の移ろいとともに変化する時代や運勢を観るものであり、白黒をつけるものではない。
仮に「晩年運がいい」と言われても、若い人なら当たりはずれは当分わからない。しかし占い師の多くは、経験や主観から自分の占いを7割は当たると言う。それは内容なのか、観た人の割合なのか定かではないが、本当だろうか?
広島リビング新聞社サイトの調査によると、新聞やテレビなどの占いを毎日チェックするという人が38%、「なんとなく」も含めると全体で77%もの人が占いを気にしている。結構な数字である。
また、程度の差はあるものの、占いを「信じる」人が64%を占めた。「信じる」理由を一度でも当たった経験があるからと解釈すると、占い師の言う7割説が少し真実味を帯びてくる。
●天気予報の「見逃し」と「空振り」率
水晶やカードなどの代わりに、気象衛星やコンピュータといった科学技術を駆使して占うのが天気予報である。日米共同開発の降水観測衛星も打ち上げられた。科学的な占いだから当たる確率もさぞかし高いだろう。
そこで、天気予報の的中率を見てみよう。
気象庁が発表している天気予報の検証結果は、「降水の有無」「最高気温」「最低気温」の3種類である。
たとえば「晴れ時々曇り」のような予報は、占いと同じで当たっているのか当たっていないのか判断するのが難しい。そこで明確に検証できるものだけを対象にしている。
なお、「降水」とは1mm以上の雨が降ることを指す。平成4年から平成25年までの「降水の有無」の全国平均の的中率は、明日:83%、明後日:79%、3日目:74%、4日目:71%、5日目:69%、6日目:68%、7日目:66%となっている。
ここでいう的中率とは予報区内のアメダス観測所ごとの予報の当たりはずれの割合のことである。平成26年1月の月間の検証結果を見てみよう。
5時発表の今日(5-24時)の「降水の有無」の的中率は全国平均で86%であるが、北海道地方は73%と極端に悪く、占い師の自己申告並みである。
注目すべきは「見逃し」と「空振り」率。「見逃し」とは予報が「降水なし」だったのに「降水あり」となった場合、「空振り」はその逆である。
特に「空振り率」の20%は非常に高い。北海道には230カ所のアメダス観測所があるが、「降水あり」予報が46の地域ではずれたということである。
北海道の人口は約544万人、これをアメダス観測所の数に均等に分けられると仮定すると、1観測所の地域の住民は2万3652人、すると46観測所では約108万8000人となる。雨の降り方や時間にもよるが、最悪の場合100万を超える人が必要のない傘を持ち歩いたことになる。
逆に「見逃し率」から割り出すと約38万800人が傘を持たずに雨に濡れた可能性がある。「降水の有無」予報を何度出したかわからないが、天気予報不信に陥った人も多いだろう。
確か、降雪予報の大はずれもあった。天気予報もやはり当たるも八卦、当たらぬも八卦の域を出ないのか。
(週刊FLASH 2014年4月1日号)