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吉田戦車 子供の運動会用に一眼レフを買うも「すごく腰にきた」

連載FLASH編集部
記事投稿日:2018.08.08 11:00 最終更新日:2018.08.08 11:01

吉田戦車 子供の運動会用に一眼レフを買うも「すごく腰にきた」

 

 スマホ以外にふだん使っているカメラは、キヤノンPowerShot SX620 HSというコンパクトデジカメだ。2016年に2万8000円ほどで購入している。  

 

 光学25倍、デジタル50倍のズーム能力がある。それがどういうことかというと、月面のクレーターがかなりくっきり撮れる。野鳥などもイラスト参照、である。  

 

 ズーム機能を多用するのは、やっぱり子供関係だ。何かの発表会、そして運動会。小学2年生の時の運動会で使ってみたが、まったく過不足なく寄って撮ることができ、ああ、もうこれで一眼レフの出番はないな、と思った。

 

 

 一眼レフカメラは、2014年に幼稚園の運動会用に買ったのだった。ニコンD3300。パンフレットをまだ持っているが、小さい子供たちと、カメラを持ったキムタクが写っていて、まさに「お母さんが子供を撮る用」のお手軽一眼レフという売り方だった。  

 

 デフォルトで18-55mmのレンズはついているが、それに55—200mmの望遠レンズがついたセットを買った。代引き料金など含めて8万円強。もしかしたら、この買いものエッセイに出てきた中で最高額かもしれない。

 

 当時子供は4歳。その時使っていたコンデジは、ものを食べたり寝ている時ならまだしも、屋内で動いている幼児を撮ると、だいたいブレていた。私がヘタなだけかもしれないが。

 

 だから一眼レフの、一瞬をシャキシャキ切りとる能力には驚嘆したものだ。屋内のフラッシュなしでも、変なおどりなどをきれいに写すことができる! 妻から「買うのが2年遅い!」と責められるほど、一眼レフカメラは子供用としてすばらしかった。  

 

 旅行にも一、二度持っていったはずだが、何かと荷物が多い子連れ旅行用にはかさばりすぎて、やがて幼稚園のイベント専用みたいになっていった。

 

 幼稚園の運動会も小学校の運動会も、都内のせまい敷地ゆえに、保護者や観客は立ちっぱなしである。高齢者席などは若干用意されているが、シートを敷いて家族分の場所とり、みたいなことは不可能だった。

 

 なので重い一眼レフを首から下げていると、すごく腰にきた。ウォーキングをまじめにやっていれば軽減されたが、運動不足状態が続いていると、てきめんに腰が辛くなるのだった。

 

 一眼レフを買ったわずか2年後にズームコンデジを買ったのは、そういうわけである。今年はなんとリレーの選手に選ばれたというので、それはコンデジじゃなくて一眼レフだろう! と発奮して、ひっぱり出してホコリをはらい、使用してみた。

 

 今年はひまがあればストレッチをする、という習慣が身につき、腰痛もほぼなかった。撮った写真は、やっぱりコンデジよりはなんだか躍動感があるように思える。

 

 レフって何? と長年思いつつ、まだ調べてもいないが、あと数年たのんだぞ一眼レフよ。

 

よしだせんしゃ 
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風! 肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
 

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載

 

(週刊FLASH 2018年8月14日号)

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