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【木村和久のぶらり艶旅】武蔵小山その1
連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.03.03 21:32 最終更新日:2016.03.03 21:40
そんなわけで、前回の格安新橋シリーズから、がらっと場所を変え、ハイソな東急沿線でお酒を飲んでからキャバクラに行き、今後の人生を考えたい。
東急沿線で今年いちばん話題になっているスポットは、新しい商業ビルが続々オープンしている、二子玉川と思うでしょうが、滅びの美学を考えれば、断然武蔵小山になります。
武蔵小山の駅前の飲食地域は、再開発工事が始まり、今年の9月から順次取り壊されて、人気店が消えていく。
武蔵小山は、どえらく長いアーケードで有名な商店街である。だから駅前の飲食店も庶民的なのが多い。人気はなんといっても立ち飲みの店だ。
駅から降りると、すぐ目の前に飛び込んでくるのが、山積みされた焼き鳥、それをつまみにして、夕方からおじさんたちがビールをあおっている。
オサレな東急沿線とは思えませんね。
それではと、ちょっと奥にある、座って飲めるカウンターの居酒屋へ。店の貼り紙を見ると、「9月をもちまして閉店とさせていただきます」と、書いてあるではないか。冷や奴をつまみに、サワーをぐいっと飲む。この妙な居心地のよさはなんだ?
顔を上げるや、テレビではナイター中継を映してた。じつに昭和くさいなあ。皆さんも今年中に、一回ムサコに行ってね。そう書くと武蔵小杉に行くやつがいるけど、元祖ムサコは武蔵小山だから。
さて本日のメインイベント、武蔵小山にもキャバクラがあるんですよ。店の名を「ショーエン」という。じつは六本木でキャバクラの店長をやっていた知り合いが、独立してここに店を開 いたのだ。だからなんとなく、六本木の匂いがするんだよなあ。
ショーエンは20時台は3000円台で飲める庶民的な店だ。けどレベルは、さすが東急沿線、ちょっと垢ぬけている。昼間仕事をやっているコが多くて、週に2回ぐらいしか来ないコもいる。
そういう片手間のコのほうが、融通がきく場合が多い、何の融通って、そりゃケースバイケースでんがな。
それにしても西高東低理論はまっこと正しい。どのコも可愛いし、予算的に楽なので、何度でも通える。ここに腰を落ち着けて、ゆっくりと長逗留するかって、温泉じゃないんだから。
次回は西高東低理論を風俗で実証すべく、オサレスポットで抜きに挑戦だ。
(FLASH2015年8月11日号)