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【数字は踊る】串も積もれば大木に

連載 投稿日:2016.03.04 18:46FLASH編集部

【数字は踊る】串も積もれば大木に

写真:AFLO

 

●サラリーマンの小遣いは株価に影響される?

 

 アベノミクスのおかげで株価が上がり、景気は上向いたかに 見える。しかし、給料が上がったのは大手企業ばかりで、物価 は上がったが給料は変わらないという声も聞く。まして非正規 社員となれば、浮かれる状況ではないだろう。

 

「サラリーマンのお小遣い調査」でお馴染みの新生銀行によれば、サラリーマンの小遣いは株価に1ー2年遅れで影響され上下するそうだ。

 

 となれば今年は期待できそうだが、問題は消費税の8%だ。消費の落ち込みはどの程度か。オヤジの小遣いどころか、アベノミクスの成否、いや日本経済の今後がかかっている。

 

 2013年の小遣い調査では、平均が前年より1299円減っ て、月に3万8457円(昼食代含む)とバブル崩壊後のワース ト記録となった。

 

 これは1990年のピーク時の7万7725円に比べて半額以下である。年代別では40代が最低で3万6924円と、平均より1533円も少なかった。

 

 平均的なサラリーマンの1コイン昼食代3日分、または焼き鳥4本に中ジョッキ2杯の飲み代1回分ぐらいだ。各種ローンに教育費など、日本を背負って立つ40代のオヤジに社会の風は冷たい。

 

●焼き鳥が大好きだ!

 

 サラリーマンが通う路地裏の赤提灯には、焼き鳥がつきものである。タウンページによると全国で2万228軒の焼き鳥屋があるそうだ(2013年調べ)。

 

 オヤジに限らず日本人は焼き鳥が好きである。どのくらい好きかを、総務省統計局が発表している家計調査の品目別支出金額から見てみよう。

 

 2013年の焼き鳥への支出額は、全国平均で1世帯(2人以上)あたり年間1911円、単独世帯は859円だった。全国の日本人世帯数は5416万6316世帯(2013年3月31日)であり、2人以上 の世帯数は4035万3906世帯、単独世帯が1381万2410世帯である。

 

 すると焼き鳥への支出額は2人以上世帯が771億1631万4366円、単独世帯では118億6486万190円、合計889億8117万4556円となる。

 

 1本を100円とすると年間8億8981万1745本。1日では243万7840本となる。  ところがこれには、赤提灯や居酒屋で食べる焼き鳥は含まれ ていない。では、外で食べる分と合わせるとどうなるか。先述したように全国で2万228軒の焼き鳥屋がある。

 

 仮に1店舗で1日平均100本売れたとすると全国では202万2800本となる。家庭で食べる本数と合わせると446万640本という膨大な数になる。

 

 四国4県の全人口は約390万人(2014年2月1日推計)であり、 全員が1本食べても56万本も残ることになる。

 

 ところで、焼き鳥の串は店によっていろいろだが、一般的なのは直径2.5ミリか3ミリ、長さが15センチか18センチの円筒形のようだ。

 

 そこで、1日の本数をすべて直径2.5ミリで長さが15センチの串だとすると、直径5mの円の面積を埋めるのに必要な串の数はおよそ400万本。1日に食べる本数が約446万640本だから、1日で直径5mの円が埋まり、高さが15センチとなる。それを1年間積み重ねると54.75mの高さになる。

 

 これに1日に余る46万本分を年間の高さに直してプラスすると、直径5mで約61mの円柱らしきものが出来上がる。ビルにすると15階ぐらいの高さだ。まさに、串も積もれば大木、いや巨木となる。

 

(週刊FLASH2014年4月15日号)

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