【旬女の家庭訪問】吉田茜さん31歳

　胸まである長い髪、赤い唇。口紅は一本しか持たないという。案内されたのは昭和の香りのする二階建てアパート。階段を昇るとき、すらりとした脚にデニムがよく似合っていた。

「中央線沿いが好きなんです。でもこの部屋は普通の女子は選ばない。お風呂にシャワーがついていないから」

　彼に手桶で背を流してもらう。昔の人ってこういう感覚だったのかな、と。

　年の離れた人としかつき合ったことがない。

　20歳のとき、19歳年上と同棲していた。

「男は、影響力、説得力、行動力。女に甘える奴なんかいらない」

　不倫も経験した。

「我慢強くなりました。相手の時間が思いどおりにはならないから」

　気持ちは入っていく。でも自分のものにはならない。イライラが募り、その時間が過ぎると冷めてしまう。

　母親からはどうして結婚しないの？と聞かれる。一生自分の好きなことをやってみたい気持ちと、普通の家庭を持ちたい気持ちが浮き沈みする。

「お金はなくてもいい。もう少し、自由でいたいな」

吉田茜さん（仮名）31歳

中野区在住　

職業・クレジット会社派遣

出身・東京都

昨年の年収・約200万円

部屋の広さ・18㎡　

家賃・5万円

居住歴・2年半

部屋に上げた男性・10人

ベッドに上げた男性・5人

彼氏の有無・あり

（写真&文・野澤亘伸）