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【数字は踊る】犬猫の仲

連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.03.18 18:00 最終更新日:2016.03.18 18:00

【数字は踊る】犬猫の仲

写真:AFLO

 

●あなたは犬派?猫派?

 

「世の中には2種類の人間がいる。犬の好きな人間と猫の好きな人間である」と誰かが金言を残していそうだが、実際、ペットの代表といえば犬と猫で、飼う人の性格もそれぞれ異なるようだ。

 

 一般的に犬は「忠犬ハチ公」に代表されるように、従順で利口、飼い主の指示をよく聞き、尽くすイメージがある。それに対し、猫は気まぐれでマイペース、けっして飼い主の思いどおりにはならない。

 

 犬と猫の性格の違いが、そのまま飼育者にもあてはまるのかもしれない。

 

 日本ではいったいどれくらいの犬と猫が飼われているのか。ペットフード協会が発表した「全国犬・猫飼育実態調査(平成25年度)」によれば、犬の飼育数は1087万2000匹、猫は974万3000匹の合計2061万5000匹。

 

 犬は減少していて、猫は横ばいだそうだ。

 

 ただし、猫の数に野良猫は含まれていない。野良猫は生息状況の把握が難しく、実数はよくわからない。ただ、平成20年度の同じ調査では284万8000匹いたと推計されている。

 

 5年ごとにおこなわれる東京都福祉保健局の犬・猫飼育実態調査によると、平成23年度の都内の野良猫の数は、5年前の約15万匹から40%の6万匹に激減したということである。

 

 40%をそのまま平成20年度の全国の野良猫の数に適用すると、その数は約114万匹になる。あくまで推定であるが、今はこれくらいの数か。

 

 そこでこれを25年度の飼育数に足すと猫の総数は1088万3000匹で、犬とほぼ同数である。すると、日本にいる犬と猫の合計は推定2175万5000匹となる。

 

 この数がどれほどのものかというと、18歳以下の全人口が2120万人であるから、それより多いことになる(総務省の平成25年度人口統計)。

 

●猫かわいがり

 

 犬を飼っている世帯数は日本全体の15.8%で、猫は10.1%で ある。合わせると約26%で、4軒に1軒が犬か猫を飼っているこ とになる。

 

 しかし、これで驚いてはいられない。ニュージーランドでは実に全世帯の48%が1匹以上の猫を飼っているとのことであ る。ちなみに犬は29%である。(ニュージーランド・コンパニオンアニマルカウンシルの2011年の調査)。

 

 日本では犬と猫の数はほぼ同じだが、世界ではどうか。

 

「ナショナルジオグラフィックニュース」によれば、世界中では推定で飼い犬の3倍以上の猫が飼育されているという(2014年1月)。

 

 ほかの資料でも猫の数のほうが多いようだ。しかし、数はともかく人間の役に立つという意味では、断然犬だろう。昔から狩猟犬、番犬をはじめ、今では警察犬、盲導犬、聴導犬等々、犬は大活躍している。利口だからこそできることで、猫にはとうてい真似ができない。

 

 ところが、利口という点では猫のほうが勝っているそうだ。5年ほど前に英国の科学誌「ニューサイエンティスト」が発表したもので、情報処理能力につながる神経細胞の数が犬の1億6000万個に対し、猫は3億個もあるというのだ。  嗅覚細胞の数や視覚の反応性、可聴範囲の広さなどでも猫のほうが優秀とのことである。

 

 さらにもうひとつ勝っているものがある。先述したペットフード協会によるアンケートでは、「生活に喜びを与えるもの」として犬の飼育者は1位が家族(81.8%)、2位がペット(79.7%)を挙げたのに対し、猫の飼育者は1位がペット(82.3%)、2位が家族(78%)とほぼ拮抗している。

 

 しかし、ペットの存在で「生活にうるおいや安らぎを実感できるようになった」と答えたのは、犬の飼育者が51.2%、猫では61.2%と10%も差がついた。猫に対する飼育者の愛情は、犬の飼育者のものより強いことが読み取れる。 「猫かわいがり」とは言っても「犬かわいがり」とは言わないわけだ。どうやら猫には、飼育者を虜にする魔法の力があるようだ。

 

(週刊FLASH 2014年6月3日号)

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