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【木村和久のぶらり艶旅】新宿(1)

連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.04.02 21:00 最終更新日:2016.04.08 22:20

  アジアの魔界にして不夜城となった新宿歌舞伎町。もともとは歌舞伎の演舞場を誘致すべく高尚な名前が冠せられたが、いまやぼったくりの街として世界的に有名になった。

 

 そんな状況の街で、いかに効率よく、楽しく遊ぶかが腕の見せどころだ。

 

 じつは今春、歌舞伎町でぼったくりに遭って、半分某週刊誌の潜入取材だったから払ったけど、ひどかったなあ。

 

 ひと口で飲み干すグラスワインが1杯4000円で、即座に10杯飲まれて、しかも1杯がダブルっていうからそこで8万円でしょ。

 

 さらにカード手数料が40%ってありえない。15万円ほどで許してもらいましたが、銀座のクラブじゃ、この値段が当たり前。いかに風俗が良心的かってことですよね。

 

 そんな魔界でどうやってお値ごろで楽しむか。ここは発想を変えて、流行の相席の店に行くことに。相席の店は、都内に多数あり、女のコの飲食代はタダで、男性が飲み代を持つシステムだ。

 

 料金は1時間で3000円で、食べ放題、飲み放題になっている。まずは1軒目、新宿駅近くの店に行くと、女のコはまだ来ておりませんと言うではないか。

 

 これは仕方ない、すぐ店を出て、歌舞伎町方面に行く。

 

 次に見つけた店は、女のコが店に入って行くのを確認した。これなら安心だ。その女のコを追いかけつつ店に入ると、超満員状態。さっきの客ゼロとの違いは何だろう。宣伝しているからなのか? 期待はすこぶる高まる。

 

 説明を受け、1時間3000円を確認してホッとする。ちなみに年齢を教えてくださいと店員が言う。この時、56歳って恥ずかしくて言えなかった。しんみり48歳と告げたのだ。

 

 待ってると、女のコが席にやって来た。左はブランドバッグを持ってる派手な姉ちゃん。右は地味だが人なつっこそう。想定内のラインナップに、にんまりだ。

 

 カンパーイをして、そこからストロベリートークが始まると思いきや、地味は多少喋るが派手な方は、ひと言も口をきかない。ひたすらスマホをいじって、食べるだけ。

 

 なんだよ、この女、お高く止まりやがって、このクラスじゃ、キャバクラでも指名ないからね。

 

 そうこうしているうちに、ものの10分で会話が途絶える。地味な方に映画やドラマ、音楽の話を振っても、「観てない」「聴かない」の一点張り。

 

 事情聴取じゃないんだから、少しは協力しろって。しまいに4人全員がスマホをいじってる状態に。だったら4人でモンストやればいいじゃん。

 

 そんなわけで、こっちがいたたまれなくなり、早々と退席。口直しにと夜のネオン街に消えたのであった。

 

(週刊FLASH 2015年10月20日号)

 

 

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