【旬女の家庭訪問】嶋村恵子さん32歳

「この部屋で最初にベッドに上げたのは…このベッドを組み立ててくれた人です（笑）」

　この部屋を選んだとき、自分でも少し背伸びしていると思った。元カレと結婚して住む約束だった。まさかの破談。夢見た新居が脳裏をよぎった。

「意地でも住んでやろうと思った」

　去年の冬、彼が出張に行って1日だけ連絡が取れない日があった。

「メールにすぐにレスをくれる人だから。事故にでも遭ったのかと…」

　翌日、なにげない顔で帰ってきたとき、疑うよりホッとした。

「疲れたなぁ」

　彼が浴室に入った後、テーブルに置いた携帯にメールが入った。女性の名前で〝愛しているよ〞。ワナワナと全身が震えて、風呂の扉を蹴破った。最強にビビった彼の顔があった。

　春に、別れ際のことを詫びようと、彼に連絡した。新しい彼女が出て「ひどいことをして、よく電話してこれますね」。思わず絶句。

　彼を電話に出させると「わかってる、ごめん…」。自分とつき合うときもそうだった。

「前カノを悪く言う奴は、口のうまい格好つけ。妙に女心をわ かった男には気をつけないと」

嶋村恵子さん（仮名）32歳

身長・164cm、体重・57kg

荒川区在住　

職業・不動産会社勤務

出身・大阪府

昨年の年収・約400万円

部屋の広さ・64㎡

家賃・14.6万円

居住歴・6カ月

部屋に上げた男性・7人

ベッドに上げた男性・2人

彼氏の有無・なし

写真&文・野澤亘伸