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【村田諒太インタビュー】Vol.5「ミドル級と海外」

I'm Ready!FLASH編集部
記事投稿日:2017.04.25 11:40 最終更新日:2017.05.22 16:39

【村田諒太インタビュー】Vol.5「ミドル級と海外」

 

■ミドル級だからといって大変ではない


──ミドル級は世界的に層の厚い階級ですが、日本のミドル級はプロ、アマを問わず選手層が薄いのが現状です。そうした中で、世界の頂点を目指す作業は大変だと思います。

 

 大変だと思います。でもそれは僕のことじゃなくて、マッチメークしてくださる方とか周囲の人がです。たとえば、軽量級だったら海外からチャンピオンをつれてきても、それほど大きなお金は必要ありません。もちろん大きな額ではあるかもしれないですけど、ミドル級はそれよりも、はるかに高額になるはずです。そういうものを作ろうとしている周りの人たちが大変だと思います。戦う本人は、大変だとか、何とかと思ってもしょうがないですから。

 

──アマチュアのときはどうでしょうか。スパーリング・パートナーがもっとほしい、外国人選手と練習させてほしい、という気持ちがあったのでは?

 

 もっとパートナーがいてくれたら、と思ったことはあります。でもそういうのはエクスキューズ(言い訳)でしかありませんから。思うのは、そういう考え方自体に、日本人の海外コンプレックスがあるのかなと。自分たちがやっていることを信じないで、海外の人がやっていることを、最先端だと思ったりする。

 

──そういう日本人アスリートは、多いのかもしれません。

 

 それって結局、日本が戦争に負けた影響だと思うんです。スペインなんかもそういうところがあると聞きます。スペインはイギリスとの戦争に負けて自信がないとか。だからサッカーのユーロとか、ワールドカップとかでスペインが優勝するなんてだれも想像できなかった。それがだんだん変わっていった。

 

──サッカーのスペイン代表は実力がありながら、世界ではなかなか勝てませんでした。ワールドカップは2010年に初優勝です。

 

 結局そういう歴史的な背景があって、自分たちが劣等国だと思ってしまっている。その考え方が違うんじゃないかな、と思います。もともとすごく優れていて、考え深くて、トレーニングの方法だって、僕らがやっていることより優れている、と思っちゃいけないんですよ。

 

──村田選手自身はどうだったのでしょうか。

 

 僕自身、アマのときは、カザフスタンはどんな教え方だとか、ウズベキスタンはどうだとか、ロシアはどうだとか、いろいろ学ぼうとしていた。もちろん学ぶのは悪いことじゃない。大事なのは海外から学んでも、それを日本人らしく、日本人ふうにカスタムすべきということじゃないですか。それが日本じゃないですか。

 

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