新書『労働者階級の反乱』
- 内容紹介
- 全世界を驚かせた2016年6月の英国国民投票でのEU離脱派の勝利。海外では「下層に広がった醜い排外主義の現れ」とする報道が多かったが、英国国内では「1945年以来のピープル(労働者階級)の革命」と評す向きも多かった。世界で最初に産業革命を経験し、最初に労働運動が始まった国イギリス。そこでは労働者たちこそが民主主義を守ってきた。ブレグジットは、グローバル主義と緊縮財政により社会のアウトサイダーにされつつある彼らが投じた怒りの礫だったのだ――。英国在住、「地べたからのリポート」を得意とするライター兼保育士が、労働者階級のど真ん中から、「いつまでも黙って我慢しない」彼らの現状とそのスピリットの源流を、生の声を交えながら伝える。
- 目次
- 第I部 地べたから見たブレグジットの「その後」
第II部 労働者階級とはどんな人たちなのか
第III部 英国労働者階級の100年――歴史の中に現在(いま)が見える
あとがき - 著者紹介
- ブレイディみかこ
- 1965年福岡市生まれ。保育士・ライター・コラムニスト。96年から英国ブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー』(ちくま文庫)、『アナキズム・イン・ザ・UK――壊れた英国とパンク保育士奮闘記』『ザ・レフト――UK左翼セレブ列伝』『いまモリッシーを聴くということ』(以上、Pヴァイン)、『ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポート』(岩波書店)、『THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本』(太田出版)、『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房、2017年・第16回新潮ドキュメント賞受賞)、共著に『保育園を呼ぶ声が聞こえる』(太田出版)がある。