新書『小説の言葉尻をとらえてみた』
- 内容紹介
- 筋を追っていくだけが小説の楽しみ方ではない。そこで語られた日本語に注目すると、作者が必ずしも意図しない部分で、読者は、ことばの思いがけない面白さに気づくだろう。『三省堂国語辞典』編集委員である著者のガイドによって、物語の世界を旅し、そこに隠れている珍しい日本語、興味深い日本語を「用例採集」してみよう。エンタメ、ホラー、時代物、ライトノベル……。「旅先」となる物語のジャンルはさまざまだ。それらの物語世界に暮らす登場人物や、語り手の何気ない一言を味わいながら、辞書編纂者の目で謎を見出し、解き明かしていく。ことば尻を捉えているようでありながら、次第に読者をことばの魅力の中へと引き込む、異色の小説探検。
- 目次
- プロローグ
第1章 桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
第2章 風が強く吹いている(三浦しをん)
第3章 残穢(小野不由美)
第4章 オレたちバブル入行組(池井戸潤)
第5章 チッチと子(石田衣良)
第6章 桜ほうさら(宮部みゆき)
第7章 横道世之介(吉田修一)
第8章 猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)
第9章 マチネの終わりに(平野啓一郎)
第10章 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(伏見つかさ)
第11章 八日目の蟬(角田光代)
第12章 阪急電車(有川浩)
第13章 グラスホッパー(伊坂幸太郎)
第14章 ギケイキ 千年の流転(町田康)
第15章 チョコレートコスモス(恩田陸)
エピローグ - 著者紹介
- 飯間浩明(いいまひろあき)
- 1967年、香川県高松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院博士課程単位取得。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。著書に『辞書を編む』(光文社新書)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP 新書)、『三省堂国語辞典のひみつ』(新潮文庫)、『国語辞典のゆくえ』(NHK シリーズ)、『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー携書)などがある。NHK Eテレ2011~13年度放送「どうも! にほんご講座です。」、2014~16年度放送「使える! 伝わる にほんご」の講師を担当。アニメ版『舟を編む』の監修も務める。