こうして拡散したデマで、「志村を殺した女」として批判を浴びた藤崎氏が、その苦しみを語ってくれた。
「あのデマが流れたとき、4~5日は泣いてばかりいました。『死ね』『人殺し』『志村けんを返せ』などのメッセージが毎日、山のように来ました。
私は、そもそも志村さんにお会いしたこともありません。海外旅行に行ったのも、2年前のベトナムが最後です。店は営業停止ではなく、自主判断で休業しているだけでした。
私には家族や友人、そして私を信じてくださる方がいたのでなんとか耐えられましたが、負のスパイラルに陥ってしまったら、自殺もあり得たと思うぐらい、つらい体験でした」
同じく被害を受けた白石氏は、現在デマの投稿に対処するため、発信者の情報開示請求をおこなっているという。
「志村さんは、確かにうちのお客様でしたが、ご来店をいただけたのは年に数回。誕生日会の会場が当店とされて、非常に迷惑でした。
コロナの感染源という風評被害は、いまだに払拭できていません。開示請求が認められたので、今後、法的措置を進めます」
白石氏は、こうした法的な対応をおこなうことを、SNSで宣言している。折しも、『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが逝去。SNS上で誹謗中傷にさらされていたことが発覚し、匿名の “卑怯者たち” が問題となっている。A子さんが語る。
「直接、志村さんのデマ発信に加担したわけではありませんが、私も、明日香ママや藤崎ママを誹謗中傷していたのは事実です。木村花さんの件もあり、『もう逃げられない』と思い、直接2人にも謝罪したくて、今回の炎上騒動の真相をお話ししようと思ったんです」
では、当の高嶋氏はどう話すのか。A子さんら、みずからのファンに対してデマの拡散を呼びかけたことや、スタッフにデマの拡散を指示したのは事実かと質問状を送ると、高嶋氏の秘書から「お金を払えば記事を取り下げられますか」と電話がかかってきた。その後、電話を通じて高嶋氏本人から直接回答があった。
「そもそも、藤崎さんがコロナの感染源であるという話は、すでにネットで広まっていたものですよね。もちろん私が誰かに、志村さんのデマの情報を拡散するように指示したこともありません」
スタッフに投稿を指示した件については、「当時の従業員に、コロナへの注意喚起の意味合いで、投稿を呼びかけただけです」と弁明。さらに、「私がそんなことをやっていないという証拠があるから、来てほしい」という。
そこで翌日、本誌が取材に行くと、同席する弁護士から「質問内容は事実無根である。証拠はあるが、今すぐに答える緊急性がない」との不可思議な通告を受けた。
ある日突然、SNSで降りかかる、いわれなきデマ。藤崎氏も白石氏も、高嶋氏とは面識すらないという。みずからの死を利用したデマ騒ぎを、泉下の志村さんも、さすがに「だいじょうぶだぁ」とは笑ってくれないだろう。
(週刊FLASH 2020年6月16日号)