「調整」が必要とされるのには、2つの理由があるという。
「まずは、出演料の適正価格を設定し、価格競争になることを防ぐこと。たとえば、ある社がどうしても田中みな実を使いたいからといって、札束攻勢をかける。その出演料があまりに高すぎると、すでに出演しているCMの企業や、ほかのタレントとの釣り合いが取れなくなってしまいます。
そしてもうひとつは、出演CMの “競合” を排除するため。“1業種1社” という、業界内の暗黙のルールがあるので、出演CMがかぶることのないよう、交通整理が必要なのです」
この「電通案件」の対象となるタレントは、最近では珍しいのだという。
「大谷翔平や大坂なおみ、渋野日向子などのスポーツ選手で『調整』が入るケースがありますが、タレントでは少ない。今後、対象になるのは、棋士の藤井聡太でしょう。
田中みな実が『電通案件』になったのは、ここへきて、CMタレントとして注目度が一気に上がったこと。そして、有名タレントや一流アスリートに比べれば、出演料がまだ安いという点が大きいでしょう」
田中みな実のCM出演料は、いくらなのか。
「つい最近までは、年間契約で1500万円程度でしたが、倍額にランクアップしたようです。キリンビールのCMに出ていますが、あれは最初スポット契約だったものが、年間契約になるそうです。その出演料が、約3000万円といわれています」
3000万円クラスは、なかなかの “大物” だという。
「3000万円オーバーは、アスリートも含めて、女性では20名もいません。女優では桐谷美玲や広瀬すずが、どちらも3000万円クラスです」
田中みな実の勢いを証明するデータとして、「2020上半期タレントネットニュース登場回数ランキング」(ニホンモニター)がある。「Yahoo! トピックス」と「LINE NEWS」への登場回数をカウントしたものだが、2020年の1位は、不倫騒動があった渡部建(352回)。
2位は、ドラマや長女のデビューが話題になった木村拓哉(329回)。3位は中居正広(263回)で、田中みな実は僅差の4位(260回)にランクインしたのだ。ちなみに5位は、258回で松本人志となっている。彼女が女性ではトップということだ。
CM業界でも、トップの座を狙う田中みな実だが、現時点で新たに4社のCMが内定しているという。
「某動画配信サービスは、映画などを観る “楽しいお家時間の過ごし方” を提案する内容。某自動車メーカーは、同世代の女性向けにおしゃれで安心・安全な車をPRするもの。
ほかにも、某家電メーカーの美容にいい空気清浄機や、衣服を傷めない洗濯機のCMに。そして新機種が出る秋シーズンに合わせて、携帯電話会社のCMに出演予定です」
2020年は台風の発生が遅いようだが、CM業界では田中みな実が、“台風の目” になっている。
(週刊FLASH 2020年8月18・25日号)