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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」ウィーン・フィル日本公演、奇跡の実現!

芸能・女子アナ 投稿日:2020.11.13 16:00FLASH編集部

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」ウィーン・フィル日本公演、奇跡の実現!

 

 冷たい風に冬の訪れを感じる今日この頃、コロナが息を吹き返しそうで心配です。そんななか、目下の私の最大の楽しみは、11月5日から14日まで日本で公演中のウィーン・フィルのコンサートです。

 

 予定されていた海外の大物アーティストの公演が続々キャンセル・延期される昨今、世界最高峰のこのオーケストラも来日するかどうかわからないし、販売サイトに「来日しなければ返金します」と明記されていても、チケットを買うことを逡巡した人は多かったのでしょう。

 

 

 驚くことに10月でもよい席が残っていたので、最終公演を1枚だけ買っておきました。もちろん、来日直前に公演開催が決定・発表されたとたん、全公演は瞬時にほぼ完売。もう1公演買っておけばよかったと思いましたが、後の祭りでした。

 

 いま、アーティストたちはジャンルを問わず、「やはり舞台に立つことは素晴らしい」と口を揃えて言います。観客も気持ちは同じ。いくら録音技術の優れたDVDを見ても、ライブの魅力とは異なります。しかし、招聘にはリスクも伴います。

 

「どうして日本で公演できるようになったの?」と海外在住の友人から尋ねられました。オーストリアのクルツ首相から菅義偉首相宛ての親書で申し入れがあり、防疫措置の確保を条件に許可したと加藤官房長官が語っていましたが、今回で36回目の来日となるウィーン・フィルは、まさにオーストリアを代表する「音楽大使」なのですね。

 

 日本へはチャーター機で来日。2週間の自主隔離が免除された一方、一般の人と接触しないよう、バスなどは貸し切り、宿泊施設も専用フロア。滞在中は、宿泊施設とコンサートホール間の移動以外は外出禁止。そして、4日に1度の新型コロナウイルス検査など、厳しい制限がつけられました。

 

 そんな大変な思いをしてまでよく来てくれましたと、ファンはただ感謝感激。

 

「これまでは寿司や鉄板焼きを食べに外出しましたが、自分たちが人生と情熱をかけたコンサートで演奏できることが幸せ。久しぶりに満員のホールで演奏した初日は、特に素晴らしい気分でした。お客様も同じ気持ちだったと思う」と、知人のバイオリニスト、マーティン・クリメクさん。

 

「セクシーかつ初々しい弦の音色」を紡ぐ世界に、冠たるオケの一員は前向きです。

 

 聞くところによると、ウィーン・フィルは団員にかなりの決定権があるそうです。彼らの演奏したいという「本能」に加えて、欧州に比べて感染者の少ない日本での公演であること、長年の信頼関係にあるサントリーホールが主催者だったことも、今回の来日に大きく作用したことでしょう。

 

 そのぶん、迎える側の気遣いも最大限。大阪からの新幹線移動で品川駅に降り立った団員が一般の人たちと接触しないように、サントリー本体からも社員が出て、さりげない人垣を作っていたとか。

 

 11月12日の午前、無料の公開リハーサルがありました。最終日のプログラムでもあるドビュッシーの交響詩『海』。10時からとのことでしたが、20分前に到着すると、すでに多くの団員がそれぞれに音を出していました。

 

「リハーサルの前にウォーミングアップはやっておかないとね。マエストロは正確に指摘されるし、音楽に対する情熱を感じます」とマーティンさん。

 

 マエストロとは、16年ぶりにウィーン・フィル日本公演に登場したロシアの巨匠ワレリー・ゲルギエフ氏。華奢に見える指揮棒と大きな体全体を使いながら、細かく団員にイメージを伝えているのが印象的でした。

 

 あちこちから毎日のコンサートの感動が聞こえてきて、私も土曜日が待ち遠しくてたまりません。それにもまして、今回のウィーン・フィルの来日公演の成功が、他のアーティストが来日できる先鞭となりますように。やっぱりライブは体に音が染み入ります。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

 

写真提供:サントリーホール

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