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女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」なんのために仕事するのかわからない

芸能・女子アナ 投稿日:2020.11.21 16:00FLASH編集部

女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」なんのために仕事するのかわからない

 

【宮崎さん、助けて!】

 

 仕事って、なんで頑張らなきゃいけないんでしょうか? 最近、自分の会社でもないのに、どうして働いてるんだろうって思うんです。宮崎さんは、テレビ局で働いた後に、自分でハーブの会社を作ったんですよね? やっぱり大きな会社で働くことが嫌だったんですか?

 

 

【お答えしましょう】

 

 質問者さんは、いったんお暇を取る時期かもしれませんね。海外は難しいので、ぜひ宮崎県へ。

 

 なんで働いているのか、なんで働かなきゃいけないのか・・・そう思うようになったら、心が少し弱りかけているのかもしれません。

 

 私は、日本テレビという会社に入り、会社のために働くことがすごく楽しかったし、日本テレビを名乗れることが誇りでもありました。

 

 高校時代からアナウンサーになると決め、念願かなって入れてもらった会社ですから、もったないくらい嬉しかったのは間違いありません。

 

 会社の力でいろんな経験を積むことができ、会社の名前があるからこそ、働くことができました。入社したときには、定年退社まで一生面倒見てもらおうと思っていましたし、あわよくば、シニア契約してもらって70歳まで働きたいと思っていました。

 

 それほど、会社に属していることの幸せ、安心感はありました。毎月、決まった日にお給料が入ることも、保険の半分を払ってくれることも、健康診断など福利厚生がしっかりしていることも、、、何度も何度もこの会社に入れたことに感謝しておりました。

 

 ただ、会社が好きだったからこそ、足手まといになるのは嫌でした。たくさん仕事させてもらえるときは、寝る時間がなくとも休日はいらないと思っていましたし、少しでも働けることが幸せでした。

 

 ところが、顎関節症になり、その後は自律神経失調症・・・会社の制度で休ませてもらい、傷病手当をもらいながら休養していたときは本当につらかったです。

 

 なんにもしてないのに、お金をもらっている。

 仕事したいのにできない。

 復帰しても変に優しい。

 そして、過度に心配して仕事させてもらえない・・・。

 

 それがつらかったです。

 

 私は、疲れ果てて、急性胃腸炎になって吐きながら仕事して、それでも点滴うって次の日の朝に番組で笑顔でおはようごうざいます! と言えることが幸せでなりませんでした。

 

 中国ロケでは、前日、沼に落とされた後、体が冷えたからか、なんとなく体がだるいなとは思っていましたが、そのまま北京へ、、、着いた日の夜に寒気がしたけど、人生初ロケで、ディレクターに使えないと思われたくないので、内緒でコーディネーターに連絡して・・・。

 

 解熱剤をもらったら、今まで見たこともないようなサイズで、座薬と間違えたのではないかと思って、心配になるほど。ですが、迷う暇もないので、一息に飲みました。

 

 もう一つ、これを飲むと早く治ると言われて出された黒い液体・・・これまた何なんだ・・・と思いました。それは、生姜を千切りにして、コーラと混ぜて煮詰めたもので、シロップジュースのようでした。

 

 薬と一緒に飲みなさいと言われ、このまま騙されて死ぬかもしれないと思いつつ、なにがなんでも熱を下げて仕事をしたい思いからガブ飲みし、布団をもう一枚もらって寝ました。

 

 すると次の日の朝、ビッショリ汗はかいていましたが、体が軽く、まったく気だるさがありません。どうやら、あの真っ黒いコーラ、生姜煮詰めジュースが体を温めてくれたようで・・・汗で流れたエネルギーをコーラの糖分が補ってくれたようで・・・むしろ逆に健康なときよりパワーアップした気さえしました。中国4000年の歴史恐るべし。

 

 それからというもの、急性胃腸炎で嘔吐が止まらないときを除き、風邪で休むことはなく、健康だけが取り柄となりました。

 

 それほど仕事に穴を開けることが嫌でしたし、会社や、上司、先輩の期待に応えられないことは絶対にしたくなかったのです。ちなみに彼氏ができたときも、仕事が入ればデートをお断りしていました。100%仕事優先で、正直、仕事より楽しいと思えることはなかったのです。

 

 そんな私が会社をやめたのは、「仕事がしたすぎて」なのです。自分が体調を壊し、長期休養に入ってしまい、自信をなくしました。そして、忙しいことに感謝と満足感しかなかった仕事に対し、周囲の気遣いからゆっくり働くということに馴染めなかったのです。

 

 生き急いでいたわけではありませんが、ゆっくり過ごすこと、のんびり働くことが向いてなかったのかもしれません。そして、2度の降板からの復帰なんて、会社に迷惑をかける自分が情けなく、、、あるいは、自分がいなくとも会社が回り、まったく問題なく進んでいく時の流れに、失望したのかもしれません。

 

 そんなときに3.11の東日本大震災が起こり、働くことしか考えない自分でいいのだろうかと、初めて、仕事以外の人生を考えるのです。

 

 質問者さんも、もしいったんお暇をもらえば、大事なことに気づくかもしれません。

 

 私の友人は、私と同じく、仕事をバリバリ頑張ってきて、目指していた役職に着いた途端、憧れていた仕事と違うことに気づき、理想と現実の差を痛感します。

 

 そこで心を病み、傷病休暇で2カ月休みました。その間に、実家に戻り、毎日ぼーっと過ごし、地元の図書館へ行って、何気なく本を手にしたのです。

 

 その本が不動産に関する内容で、これだー!!! と思ったらしく、会社を利用し、銀行からお金を借りて、不動産を買い進め、今では20棟の不動産オーナーになりました。いまは会社もやめ、不動産で悠々自適に生活しています。

 

 人生には、何度かこのままでいいのかと悩む時期があります。そのとき、一度そこを離れることで、自分がいかに視野が狭くなっていたかに気づくのです。

 

 私も同じような経験をしました。顎関節症になったとき、自宅はマスコミにバレていて、実家も取材が来たことから、ロサンゼルスへ治療に行きました。

 

 顎関節症はストレスも原因だから、ロスの先生に治療してもらいなさいと言われたからです。右も左もわからず、とりあえず逃げるように日本を発ち、長期滞在先を確保し、LA生活が始まったのです。

 

 最初は、マウスピースを入れたまま、仕事がしたいのに私は何をやっているんだろうと、ずっと部屋にこもっていました。しばらくして外へ出るようになり、地元の日本人の方々に親切にしてもらったり、少しずつアメリカの文化に触れるようになりました。

 

 パパは夕方6時には帰ってきて、ママと一緒にご飯を作り、音楽をかけながら、踊りながら、子供と一緒に夕食の準備をしていました。

 

 夜8時に食べ終わると、今度は、テラスで夜風に当たりながら、チーズとワインとチップスで夫婦の会話を楽しみ、そばで子供が勉強しています。そして夜10時には片付けをして、お互いおやすみのチューをして、それぞれの部屋へ戻っていきました。

 

 考えてみたら、その間、携帯を見ることもテレビを見ることもなく、常に流行りの音楽を楽しみ、夫婦と子供の時間を大切にしていました。

 

 そのとき初めて、「家族っていいのかもしれないな〜」と思ったのです。この経験がなかったら、私は一生結婚していなかったと思います。結婚のけの字もそれまで意識したことがありませんでした。

 

 ま〜、その後、離婚してしまうので、なんとも言えないのですが(笑)、結婚の経験をさせてもらえたことは本当に感謝しかありません。

 

 私はその後、離婚しても毎年LAに通いました。友達ができたり、新しい出会いがあったり、理由はさまざまですが、なんとも言えない時間の使い方の上手さ、人との距離感の取り方の巧さを学びたかったのかもしれません。

 

 LAに行ってから、私は仕事しか考えない人生から、誰かと過ごす人生を考え、秒単位での仕事から、今日は何をしようというスタンスになりました。ずっと携帯とにらめっこだったのを、携帯を持たない時間を作り、愛犬や、友人、家族との時間を大事にするようになったのです。

 

 質問者さんが、なんのために仕事をしてるのか、もしわからなくなっているとしたら、それはなにかのサインかもしれないし、答えを見つけるチャンスかもしれません。

 

 私自身は、好きなことが仕事で、だから働くのです。でも、もし好きなことが仕事でなかった場合、20代は生きるため、生活のため、欲しいものを買うため、という意見も多いし、それを10年やって、30代で悩むパターンもあります。

 

 悩むときは立ち止まるときで、うまくいっているときは悩むことすらないのです。少しでも、ん? と思ったら立ち止まった方がいいのです。

 

 恋愛もそうですが、一度、客観的に自分を俯瞰して見ると、改めて、やっぱりこの仕事が好きだから、この仕事のスキルを上げるために資格を取ろうとか、もっと他にやりたいことがあったな〜とか、今からでも遅くないから転職しようかな? とか思うようになります。

 

 お求めの答えはまったく別かもしれませんが、一番の答えは「お暇しましょう」ということでした。

 

宮崎宣子(みやざきのぶこ)
 宮崎県宮崎市出身。早稲田大学卒業後、日本テレビアナウンサー。現在はフリーアナとして活動しつつ、実業家としてオーガニックハーブ販売中

 

※宮崎アナへの人生相談はインスタグラム@miyazaki_nobukoで募集しています

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