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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」せつなすぎる映画『すばらしき世界』

芸能・女子アナ 投稿日:2021.02.05 16:00FLASH編集部

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」せつなすぎる映画『すばらしき世界』

写真(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

 

 役所広司主演、西川美和監督の新作映画『すばらしき世界』が2月11日から全国公開されます。

 

 役所さんは無条件に素敵。西川監督は『ゆれる』(2006年)、『ディア・ドクター』(2009年)、『夢売るふたり』(2012年)、『永い言い訳』(2016年)などを観て、「人間」を描く眼差しと才能を尊敬しています。この2人の映画というだけで観る理由になると思いますが、すでに第56回シカゴ国際映画祭で観客賞、役所さんが最優秀演技賞にあたるベストパフォーマンス賞を受賞しています。

 

 

 映画は『復讐するは我にあり』で直木賞を受賞した作家・佐木隆三氏が、実在の人物をモデルに描いた長編小説『身分帳』を原案に、西川監督自らが取材し、脚本を手がけました。舞台を現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした元殺人犯・三上(役所さん)の再出発の日々を描きます。

 

 英語のタイトルは『Under the Open Sky』。「Open Sky」は広々とした大きな空。未完成のままの桜吹雪の刺青を左胸から左肩にかけて背負った三上が、13年の刑期を終えて極寒の網走刑務所を出所して得た「自由」を意味しているのでしょう。

 

『この素晴らしい世界』というルイ・アームストロングの名曲がありますが、その曲の原題は「What a Wonderful World」。でも、一度レールを外れてしまった人間が人生をやり直して社会復帰する道のりは、そう簡単にWonderfulといかないだろうことは想像がつきます。

 

 複雑な生い立ちで身寄りがなく、真っすぐで喧嘩っ早く激情的な性格の三上は、衝突し、挫折し、世間に生きづらさを感じながら悪戦苦闘します。社会に適応しようともがく姿をテレビ番組のネタにしようと近づいてくる輩も現れ……。同時に、信義に厚く、困っている人を放っておけない、心優しく、どこか憎めない魅力をもった三上の周りには、善意の人も集まってきます。

 

 映画のチラシには【「社会」と「人間」の今をえぐる問題作】とあります。近くにもしも三上のような人がいたら自分はどう振る舞うでしょう。そんなことも考えさせられます。多分、見て見ぬふりか、近づかない。でも、それではダメだと思うのです。

 

 たまたまですが、刑務所や少年院などを出て行き場のない人たちを支援するNPO法人を職場に選んだ社会人1年生の友人が、刑事政策懸賞論文の優秀賞に輝いたので、お祝いかたがた連絡して、その世界のリアルを聞きました。

 

 彼は言います。それまで普通の生活をしていたとしても、間違いを犯すのは、何がきっかけになるかわからないと。また、刑期を終えて「はい、サヨナラ」とされた人が高齢だったり、帰る家がなかったり、勤め先を探す言語能力もなかったら、どうしたらよいのか。構造的に排除されて誰にも見向きされない人が社会に出るときは、伴走する人が必要なのだと思う、と。

 

 その友人のようにはなれないとしても、罪を犯すとか犯さないの問題ではなく、日々の暮らしに生きづらさを感じる人が少なからず存在することは理解できます。三上がそばにいたらどうしようではなく、自分が三上になる可能性だって、今の世の中、ないとは言えないです。そう考えると、人が孤立することなく周囲や地域の人たちと信頼関係を築くために、自己責任と突き放すだけではなく、寛容さこそが必要なのでしょう。

 

 原作『身分帳』は昨年復刊されましたが、かつてテレビ映像化する話があり、主人公に高倉健さんの名前があがったそうです。健さんでなく役所広司さんが演じた三上は、弱さも不器用さも純真さも兼ね備えたとても人間らしい姿です。消えた母を探し、本気で人生を再スタートしたいと考えていた前科10犯の強面の男……その人間らしさが、とても切なく感じました。

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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