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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」漫画『はたらく細胞』で自分の体を知る

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.19 16:00 最終更新日:2021.03.19 16:00

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」漫画『はたらく細胞』で自分の体を知る

(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

 

 新型コロナウイルス収束の兆しは見えませんが、健康や病気について、以前より気にするようになっています。先日、友人が面白い漫画があると教えてくれました。それが『はたらく細胞』です。

 

 清水茜さんが描かれたこの漫画は、私たち人間の体内に37兆個あると言われる細胞を擬人化し、知られざる細胞の “日常” を描いています。ふだん自分の細胞を意識する人は少ないと思いますが、細胞たちは、体という「世界」で、元気に休むことなく働き続けています。

 

 

 漫画は『月刊少年シリウス』2015年3月号から連載が始まり、2021年3月号で最終回を迎えました。最終テーマは新型コロナウイルスで、まさに時宜を得たもの。2月時点でシリーズ累計発行部数は500万部を突破。書店に行ってみると、コミックはシリーズで大きく展開され、人気は衰えしらず。

 

 細胞は、体内に細菌やウイルスが侵入すると、死闘を繰り広げてでも私たちを守ってくれます。

 

 登場人物は、酸素を運ぶ「赤血球」、細菌と戦う「白血球(好中球)」を主役に、傷口をふさいで止血する「血小板」、ウイルス感染細胞やがん細胞などを破壊する「キラーT細胞」「NK細胞」、異物を捕らえて殺す「抗原」、免疫情報を各器官に伝達する「マクロファージ」など、細胞たちがその機能や特徴をイメージした人物になって活躍します。

 

 外部から体内に侵入した細菌やウィルスを排除する白血球は、全身が白い衣装のクールな姿。「死ね、この雑菌野郎おあアァ」「ブッ殺オオォォオス!」などと鋭い言葉を吐きながら、ナイフで雑菌を倒すシーンがよく出てきます。

 

 一方の赤血球は、赤い帽子と赤いジャケットがトレードマーク。危機に陥っても最後まであきらめず、白血球に助けられながら新鮮な酸素を体内に運び続ける愛されキャラです。こうしたキャラが50種類以上登場し、どれもいい味を出しています。

 

 最終回では、新型コロナウイルスを、花弁状の細長い突起とコロナ(太陽の光冠)のついた帽子で表現していました。

 

「弱そうなウイルスなのにとんでもない強敵」
「感染しないことが一番」

 

 細胞たちのセリフをかみしめながら漫画を読み進めていきました。「サイトカインストーム」「抑制性サイトカイン」「多臓器不全」など、病気のメカニズムを理解した気になり、赤血球の働きに感謝しながら、いまいちど気を引き締めなければと思いました。

 

 ところで、この漫画、お医者様はどう見ているのでしょうか。

 

 知人の若きO医師に尋ねてみると、「体のことをコミカルに勉強できます。そうはいっても漫画なので、医療的な観点に立ちすぎるとダメですけど、人体のさまざまな細胞が擬人化されて、それぞれの機能をイメージしながら覚えやすく、娯楽性も十分にあります。大学の教授もわかりやすくまとまっていると褒めていました。最新の腫瘍免疫のことも少し触れており、いい漫画だと思います」と絶賛。

 

 ベテランのS先生にも聞いてみたところ、「看護や薬学の学生にいいのではないかな」とのこと。日本赤十字社をはじめコラボキャンペーンもあったくらいですから、医学の勉強と称して、胸を張って漫画を読むことができますね。

 

『はたらく細胞』には多数のスピンオフ漫画や関連書籍が存在します。本屋の漫画コーナーには『はたらく細菌』の棚に『はたらかない細胞』『はたらく細胞BABY(ベビー)』、はては図鑑まで並んでいます。

 

 漫画だけでなく、2018年からはアニメ放送も始まり、第2期分が2月末まで放送されました。『モーニングKC』に連載された『はたらく細胞BLACK』を原作としたテレビアニメもTOKYO MXほかで放映中で、3月20日にこちらも最終回を迎えます。

 

 これが、少し大人向けの秀逸なアニメで、1話見たら面白くて、アマゾンプライムで一気に見てしまいました。肝臓、腎臓、胃、心臓の疾患から、活性酸素、加齢臭や水虫の話まで。一日中、見続けていても飽きません。同じストーリーを何度も見てしまう自分がいます。

 

 それは、私も、近くにいる友人たちも、それぞれの体内の細胞の労働環境がかなりブラックかもしれないという心配があるからかもしれません。

 

 毎日の生活習慣が、体内の細胞を過酷な環境に追いやってしまう。タバコは吸いませんが、アルコール、暴飲暴食、ストレスで大きくダメージを受けた身体機能を、細胞たちが必死でなんとかしようとしている姿を想像すると、泣けてきます。もっと自分の体を大切にしないといけません。

 

 緊急事態宣言が東京に最初に発出されてからまもなく1年。この間、体を休めることができたのか、逆に無理やストレスで、細胞をいじめてしまったのか。この連休は自分を振り返る時間にしたいと思います。

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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