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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」満開!桜づくしの上野で花見を

芸能・女子アナ 投稿日:2021.03.26 16:00FLASH編集部

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」満開!桜づくしの上野で花見を

ベトナムからの技能研修性の女性たち

 

 東京の桜が見頃を迎えています。上野公園の桜も3月25日にはいよいよ満開。

 

 人出も多くなっています。例年であれば早朝から宴会の場所取りでせわしない「さくら通り」は中央で仕切られ、右側通行で花見をすることになっています。大噴水脇の桜の木の下では、シートを敷いてお弁当を広げる家族連れやゴロンと横になり昼寝するカップルもいました。

 

 

「その気持ち、わからないでもないけれど……」
 新型コロナの再拡大を防ぐため、酒類をともなう宴会と集団でシートを広げての飲食は禁止。野外テーブルでの飲食は短時間に済ませる、歩きながら桜を楽しむ場合もマスクをつけて混雑を避けるように……と書かれた立て看板が置かれ、注意喚起のアナウンスが流れます。

 

 ここで、由緒正しき「上野の桜」トリビアクイズを3つ。
 1問目。上野公園には何種類の桜があるでしょう?

 

 東京の桜といえばソメイヨシノを思い浮かべます。でも、JR上野駅の観光窓口でもらった「上野公園桜マップ」を見ると、公園と不忍池のまわりに、なんと55種類の桜があります。早咲きに遅咲き。桜色といっても1色ではないですよね。

 

 民族衣装のアオザイ姿のベトナム人女性たちは、濃いピンクの桜「ヨウコウ」の前からずっと動かず、写真の撮りっこに夢中。思わず私も写真を撮らせてもらいました(冒頭の写真)。

 

上野さくら通り

 

 2問め。上野の山はいつから桜の名所になったでしょう?
 正解は江戸時代。

 

 上野は江戸城から見ると方角的に鬼門(北東)です。元禄18年(1622年)、2代将軍家忠は天海大僧正と相談して、上野の台地に徳川のための祈祷寺を建てました。それが東叡山寛永寺です。

 

 天海大僧正は徳川家康、家忠、家光の3代のいわば政治顧問で、すごい権力をもっていたようです。寛永寺を庶民でも気楽に訪れることのできる寺にしたいという主張を曲げず、幕府とぶつかりました。

 

 結果、天海は私費で清水観音堂、大仏、不忍弁天堂などを建て、奈良の吉野山からヤマザクラの苗木を取り寄せ、境内にモミジ、梅、寒椿などを植え、不忍池に紅白のハスを植えました。これが上野の桜の始まりです。

 

 また、大名の庭園が集中した江戸では園芸の関心が高く、幕末には交配によりソメイヨシノが誕生しました。四季折々の景色を楽しめる上野は浅草と並んで急速に名所になったそうです。

 

 最後に、正式名称「上野恩賜公園」の「恩賜」。これってどういう意味?

 

 明治維新後、寛永寺の境内地は官有地となり、上野公園は日本で初めての公園になりました。明治23年(1890年)に帝室御料地として宮内省の管理下に置かれ、大正13年(1924年)に東京都に下賜されました。そう、天皇から賜ったという意味なのです。

 

桜の花アイスの行列

 

 さて、桜餅の味のする桜の花アイスを食べながら、公園を歩いた後、公園の大噴水と東京国立博物館の間(都道452号)を歩きます。寛永寺輪王殿から東京藝術大学までの約700メートル。重要文化財の建物が並ぶ落ち着いた通りで、歩道にこぼれるように咲く桜が美しいところです。

 

 旧因州池田屋敷表門(重要文化財)の前では、満開の桜と一緒に女子高生が記念撮影をしていました。

 

池田屋敷の表門

 

 日暮里方向に進むと、日本人の洋画家の先駆けである黒田清輝(1866-1924)の「黒田記念館」があります。特別室を4月4日(日)まで入場無料で一般公開。こちらは代表作「智・感・情」「舞妓」「湖畔」が重要文化財です。

 

 その奥、通りの両側には東京芸大の校舎と美術館、ギャラリーがあります。芸大生や卒業生などの作品が比較的手頃な価格で並ぶギャラリーはお気に入りの場所。

 

 そして、この季節、カメラマンが熱い視線を向けるのは、芸大音楽学部正門の守衛所裏に建つ都内最古の赤レンガ建築です。2棟あるうちの1号館は明治13年に建てられた旧上野教育博物館書庫(重要文化財)。煉瓦色と桜のコントラストがなんと美しいのでしょう。

 

芸大の煉瓦館と桜

 

 大学の先にある和菓子店「桃林堂」で、紅白の桜もなかを買って、東京国立博物館に引き返しました。そこから本館(重要文化財)の北側にある日本庭園へ一直線。池の周りに立派な桜があるのです。ベンチに腰かけると、目の前に都会の真ん中にいるとは思えない平和な景色が広がります。

 

東博の日本庭園

 

 館では春の恒例企画『博物館でお花見を』を開催中。屏風、浮世絵、陶磁器、着物、書など、桜をモチーフにした日本美術の名品を鑑賞できるのも、上野の花見ならではです。

 

 古来、日本人にとって花と言えば桜でした。そして、花見のモチーフの多くは、桜の花の下で踊り、遊び、饗宴を催す楽しげな人々です。

 

 公園内の清水観音堂の脇に、「井戸ばたの桜あぶなし酒の酔」の句碑と、句を読んだ少女の号「秋色」にちなんだ「秋色桜(しゅうしきざくら)」と呼ばれる枝垂れ桜があります。元禄時代の話だとか。

 

 やはり日本人は、昔から満開の桜の下で宴を繰り広げてきたようです。でも、歩きながらの花見も悪くありません。この週末、どうぞ雨が桜の花を散らさないように願います。

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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