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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」ミイラと旅する古代エジプトの神秘

芸能・女子アナ 投稿日:2021.06.04 16:00FLASH編集部

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」ミイラと旅する古代エジプトの神秘

ミイラのパレード

 

 古代エジプト文明といえばミイラと、ミイラを安置する美しい棺。これらはつねに人々の関心を集めます。

 

 2019年に国立科学博物館(科博)で開催された「特別展 ミイラ『永遠の命』を求めて」は40万人以上を動員しました。今年は、今回ご紹介するライデン国立古代博物館所蔵「古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」のほかに、国立ベルリン・エジプト博物館所蔵の「古代エジプト展 天地創造の神話」が全国を巡回中。10月からは科博で「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」が開催予定です。

 

 

 東京では緊急事態宣言が発出中ですが、6月1日から美術館・博物館・映画館が再開できることになりました。渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムの「古代エジプト展」も開幕してほどなく臨時休館となりましたが、再開され、平日も盛況です。

 

 主催者は万全の感染対策を取りつつ、再開を素直に喜んでいます。

 

「監修の先生とご一緒に、数年かけて所蔵先のライデン国立古代博物館と交渉し、コロナ禍の中でやっと実現した展覧会です。ミイラ、棺に限らず、これだけのものが揃うことは本当に奇跡的なことなので、収益などの観点を除いても、多くの人に見てもらえないというのは、臨時休館中、本当にもったいないという気持ちでした。

 

 ところが、多くのお客様が定期的にHPをチェックいただいていたようで、再開日の最初の予約枠からしっかり埋まっていきました。残り1カ月弱ではありますが、ぜひ多くの方にご覧いただけると嬉しいです」

 

「展覧会会場風景(c)Yuya Furukawa」

 

 オランダのライデン国立古代博物館は世界で最も古い国立博物館のひとつで、その古代エジプトコレクションは、ヨーロッパでは大英博物館、ベルリン・エジプト博物館、ルーブル美術館、トリノ・エジプト博物館に並ぶ世界有数の量と質を誇ります。
 

 200年以上にわたる収集と60年以上継続しておこなわれている発掘調査により、同館が所有するコレクションは2万5000点にのぼります。展覧会では厳選した200点以上が紹介され、そこには15点以上の棺、5体の人間のミイラと7体の動物のミイラが含まれます。

 

 この展覧会が見せる古代エジプトは、包帯を取ることなくきれいな状態で保管されていたミイラに代表される、コレクションの美しさです。本展のためにミイラをCTスキャンにかけたところ、いくつもの護符が体の上に置かれ、呪術的に遺体が守られていたことがわかりました。当時の人々の亡くなった人へ寄せる温かい想いが伝わります。

 

 ミイラの木棺を身と蓋にわけ、立てた状態でズラリ並べた展示は、そこに数千年前の人が立っているようにも見え、また、棺に描かれたメッセージが時代により変化していることも感じ取れます。展示に見入って、つい近づきすぎて注意を受けているお客さんを何人も見かけました。

 

 3000年にわたる古代エジプトの王朝ですから、いまでも毎年のように新たな発見が報告されます。しかし、展覧会では過去に発見された資料についても、科学技術の進歩で、新たな解釈が生まれることを教えてくれます。古代エジプトには本当に興味が尽きません。

 

 この4月、カイロのエジプト考古学博物館で展示されてきた古代エジプトの王(ファラオ)と女王のミイラ22体を、新しく建設された国立エジプト文明博物館に移すパレードがおこなわれました。パレードの写真を送ってくれたエジプト観光省・考古省、エジプト観光局日本部長のモハメド・ユーネス氏がこう説明してくれました。

 

「我々はミイラに対して、恐怖、畏敬、誇りなどさまざまな想いをもっています。死んだボディでありながら、背景にそれぞれの物語を持っています。ミイラにするために使用された防腐剤や方法すべてが解明されたわけではありません。ミイラとして何千年もの生を与える保存方法を考えた先祖の偉大さを感じます。今回のパレードは国家の一大イベントで、エジプトが安全で、栄光と文明を回復するというメッセージを世界に発信しました」

 

 パレードでは、ミイラの損傷を防ぐため、一体ごとに窒素を充填して空調管理した特別の容器に納め、細心の注意を払いながら移動したそうです。

 

 ミイラは、エジプト人だけでなく、世界中の人々にとって特別な存在です。展覧会やパレードのニュースを見るたび、またエジプトに行きたいなぁ、と想いをめぐらすのです。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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