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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」夏は「お化け屋敷」で絶叫したい!
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.23 16:10 最終更新日:2021.07.23 16:11
猛暑が続きます。そんな暑さをゾーッと背筋が寒くなることで吹き飛ばしてくれる「お化け屋敷」はいかがですか?
私は嫌いです。なにしろ怖くて……。見た映像や聞いた音が、後々までずっと脳裏に残って、夜中に目が覚めたりするので、お化け屋敷はおろか、怪談、ホラー映画の類も、できるだけ避けてきました。
ところが先日、なにを血迷ったのか、東京ドームシティ アトラクションズ(旧 後楽園ゆうえんち)のお化け屋敷『怨霊座敷』へ行ってみました。2年ぶりに復活した夏の特別演出『顔剥がしの仮面』(~9月26日)です。
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子供の頃、後楽園ゆうえんちのお化け屋敷はほのぼのとしており、それほど怖くなかった記憶がありました。「ワッ」と暗闇から飛び出して驚かすくらいと、タカをくくっていたのかもしれません。でも、いまどきのお化け屋敷は、エンターテインメント性が高く、怖さも別物でした。
その体験を語る前に、今回の特別演出『顔剥がしの仮面』について少し説明しましょう。この怨霊座敷、呪いの面に取り憑かれて自ら命を絶ち、成仏できずにいる女性「絵美」にまつわる物語です。夕方17時からの<超・絶叫編>は特に怖くて、入場者に「絵美の強い怨念が宿った仮面を彼女の顔から外して納める」という重要なミッションが与えられます。
お化け屋敷の入口から出口までの所要時間は10分から15分ですが、恐怖体験は、怨霊座敷に入る前から始まります。
入口付近に「怨霊新聞」が置かれていました。怨霊座敷にまつわるストーリーが「号外!」としてリポートされています。怨霊の背景を知ってからお化け屋敷に入るほうが、より恐怖を味わえる仕掛けですね。
新聞に目を通した後は、靴を脱ぎ、いよいよツタのからまるおどろおどろしい家の中へ。あちこちに今回の演出のキーになる仮面が飾ってあったり、人形が怖いシーンを再現したり、人間とも人形ともつかないお化けに脅かされたり。同行した友人にぶつかり、あとずさりした足でさらに足を踏んでしまったり。とにかく足早にお化け屋敷を駆け抜けました。
正直、ずーっとキャーキャー絶叫し続け、内容はチラ見。これでは内容のレポートができないと思いましたが、会場で「お化け屋敷プロデューサー」の五味弘文さんに話を伺うことができました。五味さんは、1992年以来、長く演出を手掛けている業界の先駆者です。
「毎年違う企画を作っています。仮面は英語でマスクといいますが、今回はコロナ禍を意識しました。仮面のモチーフを多面的かつ最大限に見せたいと考えています」と話します。いまでこそお化け屋敷にストーリーがあり、キャストがいるのはふつうですが、お化け屋敷のストーリーを作り、大人も楽しめるエンターテインメントに仕立てたのは五味さんの功績です。脅かすタイミングや人間による演出で、これまでにない恐ろしいお化け屋敷が出現したと言います。
実は、お化けを担当する役者さんにも20数年のキャリアをもつ方がいるそうです。そんなお化け役の方々にいつも心がけてほしいと五味さんが話していることがあるそうです。
「お化けのアクションがあってお客様が反応する、で終わりじゃないんです。人はキャーと絶叫しながらも、必ず、自分を驚かしたものは何だったのか見るものです。ですから、おどかした後のお化けの顔がどうなっているかが大切。そこが怖さの分岐点になります」
つまり、一度驚かせて、もう一度驚かせるのがポイントだというのです。
「去年はコロナ禍で中止になりました。今年は衛生管理をきちんとおこない、いかに安全に楽しんでいただけるかを考えて、ようやく『顔剥がしの仮面』が実現しました。短い時間ですが、ライブはかけがえのないもの。その楽しさを再認識していただければと思います」とおっしゃるとおり、このライブ感は特別。怨霊座敷を出ると、怖かったはずなのに、得も言われぬ爽快感に包まれました!
この感覚は、おなかの底から絶叫し続けたことにより得られる気持ちよさでしょう。もちろんマスクはつけたままでしたが、ここ最近、あれほど大きな声を出したことはありませんでしたから。
絵美の呪いのお面は、家族に災いが降りかかるたび、どんどん笑顔になっていきます。でも、絵美からお面を剥がすことで、その呪いは解けました。このストーリー、もしかしたら、マスクをつけたまま不自由に過ごしている私たちの未来を暗示しているのかもしれません。いつかマスクを外せば、日常も必ず元に戻ると……いまどきのお化け屋敷は本当にすごいと感心するばかりです。
●横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)