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女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」祖父母からの愛情が居心地悪い

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.21 11:00 最終更新日:2021.08.21 11:00

女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」祖父母からの愛情が居心地悪い

 

【宮崎さん、教えて!】

 

 私は昔から祖母や祖父に対する愛情が薄いのかもしれないと思うことがあります。ふつうは「おじいちゃんorおばあちゃん大好き!」と懐いてかわいがられるのが孫、というイメージなのですが、特段好きでも嫌いでもないんです。

 

 

 かわいがってくれるのはありがたいし嬉しいのですが、同じ熱量で返せないのが申し訳なく、居心地が悪いなと思います。宮崎さんは、祖父や祖母のことは好きでしたか? こういう孫のことをどう思いますか?

 

【お答えしましょう】

 

 それぞれですよー!! 特に好きでなくても、まったく問題ないと思います! 離れていたり、なかなか接点がなければ、別にそこまで情も湧かないのでは? と思います。

 

 ある友人は、東京生まれの東京育ちで、祖父母とも離れていたり疎遠だったりで、まったくお年寄りと接点がない人です。一緒に老人ホームに行く機会があったのですが、ビニール手袋をして、まるで汚いものでも触るかのように対応していたので、びっくりしました。

 

 なんで手袋しているの? って聞いたら、皮膚もブヨブヨだし、触ったことないから気持ち悪いって言っていて、、、それは、ちょっと人としてどうかな? と思ったことがあります。

 

 ただ、出会ったことがない人は、わからないこともたくさんあるし、考え方、環境によってもまったく違って当たり前なので、そこまで気にすることもないと思いますよ。

 

 私は、宮崎の田舎育ちで、父も母も地元でお見合いして3カ月で結婚したので、それぞれの実家がとても近かったのです。母方の祖父母と住んでいましたが、毎週末、父の実家に行って夕食を食べており、おじいちゃん、おばあちゃん子だったと思います。

 

 小さい頃は、何かを買ってくれたり、お小遣いをくれるから懐いているパターンもありますが、私は、特に父方の祖父にとてもかわいがってもらい、よく遊びに連れていってもらいました。

 

 お散歩したり、一緒にお風呂も入ったし、畑を持っていたので、野菜の収穫に自転車で行って、クタクタになるまで遊んでから、にんじん、大根、白菜、えんどう豆などを収穫。そしてまた自転車に積んで帰りましたが、祖父の後ろに乗る自転車の時間が、なんとも言えない楽しさでした。

 

 とにかく祖父は優しかったです。本当に。。。

 

 私が怒られていたら、「そんなに怒らんでもいいじゃろ」って助けてくれましたし、私の運動会には必ず来てくれました。思い出すだけで涙が出ます。そんな祖父も91歳で亡くなりました。

 

 母方の祖父とは一緒に暮らしていましたので、朝から晩まで一緒です。祖父に「バーカ」って言うと「コラー」って追いかけてくれるのが楽しくて、幼稚園のときは、毎回それでおじいちゃんと遊んでいました。

 

 見た目もカッコよく、歌も上手いし、背も高い。怒ったのも見たことないし、本当に優しかったです。そんな祖父は、私が中学2年のときにアルツハイマーで亡くなりました。個人タクシーの運転手をしていたのですが、おつりをよく間違えたり、行き先がわからなくなったりで59歳で退職しました。

 

 当時は今ほどアルツハイマーが明確ではなく、診断が出るまで5年以上かかりました。優しかった祖父の脳はどんどん萎縮し、子供返りをはじめ、徘徊し、暴れ出し、怒鳴ったり、癇癪を起こしたりで、晩年は大変でした。

 

 徘徊が始まれば警察のお世話になることもあり、何度か刑事さんまで探してくれたことがありました。迷惑をかけるし、施設入りを考えないといけないのかな…でも、離れて暮らすのは寂しいから、もう少し一緒にいようと話していたところでした。

 

 最後の夜は運動会の前日で、早く寝ようと母があんかけ焼きそばを作り、それを食べて、薬を飲んだまま、眠るように亡くなりました。まだ祖父が温かく、だんだん冷たくなっていくのを祖母と一緒にそばで見ていました。こちらの祖父も、思い出すと涙が出ます…。

 

 では、祖母は? と言いますと…実は2人とも健在です。父方の祖母は97歳になり、母方の祖母は95歳になります。いい人は早く亡くなるのかなと思いましたが、父方の祖母は若い頃から気性が荒く、鬼婆ってこっそり言ってました(笑)。

 

 いまでも口癖は「バカタレ」ですし、優しい言葉をかけてもらったこともなく、たまに聞く「おおきにな」くらいが最上級の褒め言葉です。

 

 おじいちゃんは私にお土産を買ってきてくれますが、おばあちゃんはまったくありませんでした。カリカリ梅を食べていたら、「食べ過ぎじゃ」ってパコーンと頭を叩かれました。

 

 稲荷寿司を作るのがうまく、小さい頃、「稲荷寿司を作るのだけはおばあちゃんがいいけど、それ以外はおじいちゃんがいいね」って言ったら、「どの口が言っとんじゃ!」ってまた叩かれました。

 

 戦争から帰ってきた祖父とどんな結婚生活だったのかわかりませんが、祖父のお通夜のとき、祖父の顔を覗き込み、「あんたには苦労かけられたわ」っておでこをペチン! って叩いているのを陰から見てしまい、、、孫としては、見てはいけないものを見たと思い、おばあちゃんがいなくなった後に「おじいちゃん、大丈夫だからゆっくり休んで、次は優しい人と結婚して幸せになってね」とおでこをなでなでしたのを覚えています。もう10年以上も前の話ですが。

 

 母方の祖母も祖父を見送るまで仲よしでしたが、いまは認知も入り、祖父の存在も忘れ、「そんな人と結婚したかね〜忘れた!」と、いつも楽しそうに歌番組を見ています。

 

 口癖は「ありがとうね」なので、かわいらしく思いますし、表情も穏やかで食欲もあり、とても元気でいてくれるので嬉しいです。

 

 いまこの歳になって思うのは、祖父母が孫をかわいがる気持ちと、孫が祖父母を好きでいる気持ちは同じでなくていいということです。

 

 親の心、子知らずという言葉がありますが、親になってみると、子供がかわいくて仕方ないですが、自分が子供のときは「口うるさいな〜」と思っていたくらいで、自分中心に生きていたはずです。

 

 なので、自分が親や祖父母になったとき、初めてどのくらいの愛情が持てるのかわかるのだと思います。

 

 私の知り合いは、孫が小学校5年生になったときに、「おばあちゃん、いままで世話をしてくれてありがとう。これからは、もう大丈夫なので、誕生日とクリスマスに欲しいものかお金をくれたらいいです」と言われたそうです(笑)。

 

 懐いていると思っていたら、子供はそこまで思っていなかった、、、面倒みてくれる人くらいの気持ちだったのかもしれません。ただそれも、その子が成長して大人になっていくと、祖父母への感謝の気持ちがわかったりします。

 

 私も、犬をこんなにかわいがるなんて思いませんでした。歳を重ねるにつれ、母性のようなものが出てくるのかもしれません。

 

 自分が人生を重ねたとき、孫にどれだけ愛情を持てるのか、、、孫はただ、いまを一生懸命生きるので精一杯で、その順番めぐりだと思います。

 

 質問者さんも、返せないとか考えず、ただ、その愛情を受ければいいと思います。そして、自分が歳を重ねたら、祖父母の気持ちになれるはずです。

 

 ここで一句。

 

祖父母から 孫へとつなぐ 親の愛

 

宮崎宣子(みやざきのぶこ)
 宮崎県宮崎市出身。早稲田大学卒業後、日本テレビアナウンサー。現在はフリーアナとして活動しつつ、実業家としてオーガニックハーブ販売中

 

※宮崎アナへの人生相談はインスタグラム@miyazaki_nobukoまたはinfo@smart-flash.jpで募集しています

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