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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」泊まれる学校「さる小」で童心に返る

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.27 16:15 最終更新日:2021.08.27 16:15

女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」泊まれる学校「さる小」で童心に返る

 

 8月も最後の週末を迎えます。子供の頃、毎年、宿題を片付けるのに必死になっていた時期です。

 

「なぜもっと早くに終わらせなかったの?」
 母の小言はいつも同じ。私も変わることなく、いまも何でもギリギリにならないとできません(反省)。

 

 久しぶりにそんなことを思い出したのは、山のなかに佇む小学校の木造校舎に足を踏み入れたからでしょうか。

 

 

 ユネスコエコパークに登録されている豊かな自然に囲まれた、群馬県利根郡みなかみ町にある「泊まれる学校 さる小」です。

 

 2008年3月に少子化による統廃合で廃校になった猿ヶ京小学校が、「群馬県みなかみ町 廃校活用プロジェクト」により宿泊施設「さる小」として生まれ変わったのは、2012年4月のことです。

 

 校舎を1日1団体(10~120人)で貸切できる施設は全国でも珍しく、口コミで人気が広がり、平日でもなかなか予約が取れません。

 

 さる小へは新幹線の上毛高原駅から猿ヶ京温泉行きのバスに揺られて40分。そこから、ミンミンゼミの鳴き声と川のせせらぎを聞きながら、山を切り開いた県道を10分も登ると、広いグラウンドの奥に校舎が見えてきます。

 

 学校名を刻んだ門柱はありますが、安全な場所だからか門扉は最初からないようです。向かって左側には25メートルプール。その視線の先に見渡すのは三国峠で、山並みの向こうはスキー場やフジロックで有名な新潟県の苗場です。

 

 1991年に建て替えられたという校舎は木の梁と白壁が印象的。正面入口の2本の柱は、校長先生の飯島健治さんが抱きついて両手を回しても届かないほど立派。町では「学校林」として、何十年も前から地元の木を育て、伐採して保管し、学校を建て替えるときに使ってきたのだそうです。

 

「学校に最初に来たとき、木造の校舎、とくにこの太い柱を見て、自分の母校でもないのに、なぜかとても懐かしく感じました。ここなら何か面白いことができるかもしれないと思い、家族で移住を決めました」と語る飯島校長は、横浜出身の元サラリーマン。

 

 豊かな自然と、コミュニティ全体で子供を育んでくれるあたたかい環境は、ご自身のお子さんたちを育てる場所としても魅力的に感じたそうです。

 

「泊まれる学校 さる小」には、普通の小学校と同じく、各学年の教室、音楽室、視聴覚室、図工室、図書室、家庭科室、理科室、保健室、職員室に放送室もあります。各部屋の備品も使用できます。1度に100人食事ができる食器もそろっています。

 

 校内はどこも木が贅沢に使われていて、しかもピカピカに磨かれています。机の落書きは残ったまま。窓の外は緑と山と青い空。冷房を使わなくても涼しくて、穏やかな気持ちになります。

 

 昔は生徒が160人もいたといいますから、グラウンドにはにぎやかな笑い声がひびいたことでしょう。

 

 小学校への思いは人によって異なるでしょうが、私は放送室と音楽室のアコーディオン、多目的ホールに置かれた平均台を見て、妙に懐かしくなりました。

 

 さて、「さる小を私たちの想像以上にうまく使ってくださるお客様がたくさんいらっしゃいます」と飯島校長が感心するほど、過ごし方は人それぞれ。

 

 校長は学校らしい雰囲気を残しつつ、お客様が困ったときのサポート役に徹しています。あるときはLGBTのグループが運動会をなさり、「本当に人目を気にすることなく過ごすことができました」と感謝されたそうです。

 

 運動会、同窓会、合宿、キャンプフェス、企業研修に、結婚式、写真撮影会、ワークショップ、合唱やバンドの練習。校旗を立てるポールに自分たちの旗を作って掲げたり、料理対決をしたり、コスプレ、宝探しゲームなど。

 

 何もしない過ごし方もあるとは思いますが、自分で遊びを創出できる人たちの理想郷! 周りに家もないので、常識の範囲内で騒いでも問題なしです。

 

「泊まれる学校」では、教室にお布団を敷いて寝ます。そうすると、枕投げをやりたくなりますね。

 

「学校に遊びに来たまま、ついでに泊まる感じ。それがさる小」と飯島校長は仰います。お風呂棟とBBQスペースを増設。校長手作りもピザ窯も好評です。

 

 さる小は、お客様がチェックアウトする日に、次のお客様を取りません。「基本的に片付けはお客様にやっていただくのですが、きちんと掃除して、次の方を完璧な形でお迎えしたいのです。また学校ですから、日の高いうちに来て楽しんでいただいたら」という校長のこだわりが、さる小の魅力をさらに高めているように思いました。

 

「みなかみ町の魅力はとにかく自然。温泉もあります。いい施設がいろいろありますので、ぜひご活用ください」と話すのは、みなかみ町商工観光課の木槫晴彦氏。その思いは飯島校長も一緒。
「さる小をハブにして、みなかみ周辺にも足を伸ばしていただき、そのよさも感じていただいたらと思います」

 

 ちょっと歩いて赤谷湖を見て、猿ヶ京温泉につかり、新鮮な野菜や果物の売店やバンジージャンプができる橋を見つけました。地元の新鮮な野菜を買って、夜はBBQをして、満天の星を眺めながら眠るのもいいでしょうね。

 

 さる小にいると、やりたいことが無限に思い浮かびます。

 

 今年はコロナ禍の影響によりキャンセルが出ることもあるそう。ホームページ予約欄は要チェックです。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

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