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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」百段階段のあかりに癒される
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.09.17 16:00 最終更新日:2021.09.17 16:00
東京・目黒のホテル雅叙園東京で「和のあかり×百段階段2021 ニッポンのあかり、未来のひかり 」と題したアートイルミネーションが9月26日まで開催されています。2015年以来、35万人が来場したという夏恒例の人気イベントで、2年ぶりに復活しました。
目黒駅前の行人坂を下ったところに広大な敷地をもつ同ホテルは、日本で最初にできた総合結婚式場です。「百段階段」は、東京都の有形文化財に指定されたホテル唯一の木造建築で、ここで雛まつりやいけ花の展覧会などさまざまなアートイベントが開催されています。
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旧目黒雅叙園は90年以上前に純日本式の料亭としてスタート。「誰もが一日『お大尽気分』で優雅に過ごせるように」という創業者・細川力蔵氏の思いをこめた施設は、美術品と絢爛な装飾により『昭和の竜宮城』と称されました。非日常感に浸ることができると、当時から人気を博したそうですが、百段階段はまさにその象徴というべき建物です。
私はこちらで食事をすることはありますが、そういえば百段階段を実際に見たことがありませんでした。どんな「階段」なのかという興味もあり、さっそく出かけました。
ロビー左手、百段階段へ上る大型エレベーターは、非日常へ誘う入口。これほどゴージャスなエレベーターを見たことがありません。内部の壁面は一面、螺鈿の唐獅子、牡丹、蝶々でした。「階段」には、靴を脱いで上がります。
ピカピカに磨かれた階段は厚さ約5cmのケヤキの一枚板。天井や欄間の装飾、絵画から建物のつくりにいたるまで、その豪華さとアート感覚は目を見張るというより、圧倒されます!
実は「百段階段」は通称です。1935年に建てられた旧目黒雅叙園3号館にあたり、斜面に沿って10段から20段上がるごとに配置された部屋が7つ。合計99段の階段廊下でつながれ、全体を「百段階段」と呼んでいるそうです。
7つの部屋は「十畝の間」「漁樵の間」「草丘の間」「静水の間」「星光の間」「清方の間」「頂上の間」。名前から想像がつくように、荒木十畝や鏑木清方など当時の日本を代表する画家が壁や天井に作品を描いたり装飾を手がけたり、また名工、熟練の職人が腕によりをかけて創り上げた美の世界です。
貴重な文化財を企画展などで一般公開し、使用しながら保存しているのは素敵です。今回はこの舞台に、「森のあかり」「ガラスのあかり」「紙のあかり」「木のあかり」「土のあかり」というテーマや素材で製作された『和』のあかりやアートが、全国各地から集まりました。
伝統工芸も作家ものもどれも素晴らしいのですが、幻想的に柔らかく部屋を照らす和紙の繊細かつ洗練されたあかりには、ため息が出ました。非日常感を盛り上げるオリジナルのヒーリングミュージックやアロマも、ゆるやかに心を解放してくれます。
お部屋をいくつか紹介しましょう。
欄間、天井、床柱のすべてが豪華な彩色木彫板と日本画で彩られた「漁樵の間」には度肝を抜かれますが、漉き紙の灯り作家・高山しげ子氏による満月をイメージした作品とススキの装飾による初秋の風景は不思議と調和しています。
「草丘の間でアロマの香り漂うなか、風鈴の音を聴きながら、あかりをボーっと眺めて過ごすお客様が多くいらっしゃいます。今年は『癒されました』という感想を寄せてくださる方が多いです」と教えてくれたのは、イベント企画責任者の柚木啓さんです。「草丘の間」のテーマは「風のあかり」。夜の竹林をイメージし、「五大風鈴」と呼ばれる各地の伝統的な風鈴をお花に見立て、作品の中央に配置した赤づるで漂う風を表現しています。
どこにカメラを向けても絵になる「映えスポット」の百段階段は、全室撮影OK。これはイベントとしてポイントが高い! 特に、「柳井金魚ちょうちん」が設置された「頂上の間」では、カップル、親子連れ、浴衣姿の女性たちが思い思いにポーズを取り、みなさん撮影に余念がありません。
去りゆく夏に想いを馳せながら、百段階段と和のあかりに、ひととき癒されてみてはいかがでしょう。
横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)