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女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」唐揚げブームで知る店のこだわり
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.01 16:00 最終更新日:2021.10.01 16:00
空前の唐揚げブームだそうです。コロナ禍で家での食事が増え、唐揚げを「中食」としてよく買うようになっているかもしれません。
日本唐揚協会は、メニューの7割以上が唐揚げという店を「唐揚げ専門店」と定義していますが、2021年4月時点で、推定3123店舗もあるそうです。これは2018年の2倍以上にあたります。
種類も増え、台湾唐揚げ「大鶏排(ダージーパイ)」や、コンビニ・総菜屋の唐揚げも侮れません。
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「若鶏の唐揚げ」を最初にメニューとして出したのは、銀座の三笠会館と言われています。1932年(昭和7年)頃、当時の「食堂・三笠」の支店だった鶏料理専門店での話です。三笠会館は、資料が残っていないので、会社として正式には申し上げられないと控えめに仰います。
とはいえ、戦後から現在に至るまで同じレシピの伝統の味「骨付き鶏の唐揚げ」はお墨付き。タレに漬け込まず、揚げる直前に片栗粉をつけてサクッと揚げた一品は、本店1階イタリアンバル「ラ ヴィオラ」の人気メニューです。
それにしても、今どきの唐揚げは、醤油、塩、出汁など、味のベースから、スパイス、粉、製法まで、店によりバラエティが豊かで、こだわりも半端ではありません。
皆さんはどの店のファンですか?
私のイチオシの唐揚げは、台東区今戸で3代続く鶏肉加工・販売の「鳥清本店」。この2年は開催されませんでしたが、7月末恒例の隅田川花火大会には欠かせない味です。
当日はものすごい混雑ですが、醤油ベースのタレにつけたもも肉をカリッと揚げたシンプルな味の唐揚げとビールで花火を見上げる瞬間は、至福のときです。
鳥清の遠藤和重さん・幸江さんご夫妻はこだわります。
「コロナ禍ですので、鶏肉全体では宴会など業務用の需要が減り、厳しいところもありますが、おかげ様で店頭での唐揚げの売り上げはいつも好調です。
胸肉の唐揚げや、さまざまなスパイスを使って揚げる唐揚げもあり、それが若い人たちの嗜好に合うのもわかっているのですが、うちは国産のもも肉を醤油味で揚げるのが一番おいしいと思っています。
唐揚げって、食事にもおやつにもお酒のおつまみにもなり、花火に運動会や遠足、クリスマスなどいつもハッピーな行事と結びついているのもいいですよね」
鳥清は各種お弁当も評判ですが、売り上げのダントツ1位は、やはり唐揚げ弁当だそうです。
浅草には、唐揚げの専門店「縁」の本店があります。「縁」は行列が絶えません。手羽先、皮、ナンコツの唐揚げもありますが、私はもも肉の唐揚げに、ニンニクダレや極塩ダレを別につけてもらいます。
「明日食べても大丈夫かしら?」と聞くと、「うーん、どうしても明日なら、レンジでラップをせずに数十秒チンして、オーブントースターでカリッとさせてから召しあがってくださいね」と親切な店員さん。唐揚げ屋さんのこだわりは、味への自信に違いありません。
東京スカイツリータウンの「九州よかフェスタ」(すでに終了)には、元祖中津からあげ「もり山」が出店していました。
大分県中津市の名店で、日本唐揚協会が主催した「からあげグランプリ」のグランドチャンピオン。塩だれ部門で最高金賞を受賞した国産骨なしからあげは、特に有名です。
東京に唐揚げ専門店が知られていなかった2009年、もり山は学芸大学(目黒区)に出店し、現在は瑞江(江戸川区)にも支店があります。
ご存じかもしれませんが、中津は唐揚げの聖地。「中津からあげ」は、地域ブランドの保護のため、2016年に特許庁に登録されたブランドです。
大分県はもともと大型の養鶏場が多く、生産だけでなく消費量も多い地域です。1965年頃から中津市を通る国道沿いに唐揚げ専門店ができ始め、現在はおよそ50店舗。その数はコンビニより多いのです。中津市のホームページを開くと、市内の唐揚げマップが表示される名産品です。
「唐揚げは買ってきて食べるもの。中津では昔からそれが普通です。うちでは1キロから1.5キロ買いますし、本当によく食べます」と、中津出身のアルバイト女性がにっこり。
日本橋三越で中津から出張販売していたおおいた料理店「綾鶏」が中津からあげを出張販売していましたが、やはり店員さんは、一度に1キロ超買って食べると話していました。聖地・中津、恐るべし!
超一流のこだわりを語るのは、もり山のイベント業務部長の土井一平さん。
「もり山は各地に展開したり、イベントに参加するときも、ブランドを壊さないように美味しさを追求します。東京開催でも鶏肉は冷凍せず、冷蔵庫で保管し、塩と秘伝のタレにつけ、油を足していきます。その油にうま味の成分が溶け込んでいますから」
さて、緊急事態宣言が解除されました。中津市に隣接する宇佐市は、からあげ専門店発祥の地と呼ばれていますが、まだノーチェック。宇佐と中津をめぐる唐揚げツアーに行ってみたいなぁ。
そして、来年こそ、鳥清本店の唐揚げとビールで隅田川の花火を見上げたいものです。
横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)