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さぁ酉の市!縁起物の熊手で来年の福を掻きこもう/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.11.12 16:00 最終更新日:2021.11.12 16:00

さぁ酉の市!縁起物の熊手で来年の福を掻きこもう/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

酉の市で見かけた熊手いろいろ

 

 毎年、酉の市が来ると、今年もあと○○日と数えてしまいます。

 

 来年の開運、授福、殖産、除災、商売繁昌を祈る酉の市(酉の祭)。東京・浅草の鷲神社(おとりさま)の酉の市は、足立区花畑の大鷲神社とともに江戸時代から続く下町情緒あふれる祭で、特別な雰囲気があります。

 

 

 今年の一の酉は11月9日午前0時の一番太鼓とともに始まりました。浅草の鷲神社の人出は35万人。入場証を持った人しか入ることができなかった昨年の酉の市を考えてみれば、通りの露店の数は限られていたものの、ずいぶん人が戻っています。

 

 夜9時過ぎでもすごい人。久しぶりに見る人の波に少し戸惑いもありましたが、ワクチン接種はしたし、マスクもつけているし。神社には明るい空気が満ちていて、お参りしたらご利益がありそうでした。

 

 こうこうと灯りが照らされた神社の鳥居をくぐるときは、両脇から大麻(おおぬさ)でお祓いをしてくれます。加えて、神社はサーモグラフィで体温チェックし、アルコール消毒剤を置き、マスク着用を常に呼びかけるなど万全の対策。ウィズコロナの時代は、まさに心身を清めてからのお参りが基本のようです。

 

 ところで、酉の市といえば縁起物の熊手。酉の市は、祭神の日本武尊(やまとたけるのみこと)の東夷征討に関係があります。社に立ち寄って戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけてお礼参りした11月の酉の日にちなんでおり、この神話が熊手につながるようです。

 

 お参りする前に、熊手が並ぶ境内をぐるりと回ってみました。

 

 熊手には2種類あります。神社が酉の市だけ頒布する熊手御守(かっこめ)というお札に代わるもの。そして、テレビなどで紹介される縁起熊手。神社境内を中心に約150店舗の熊手店があるそうです。境内の熊手店は、店の場所も決まっており、お客さんも一度店を決めると、おなじみさんになることが多いのだそうです。

 

 大小さまざま、個性あふれる熊手を見上げながら歩いていて、パンダがついた大型の熊手に吸い寄せられました。双子のパンダの誕生に沸く上野の鰻屋からのオーダーを受けた白石熊手店。ご主人は83歳で、18歳から熊手を手作りで作っています。

 

「熊手にはおめでたいものしか使わない。それでもセンスが大事。今、どんな流行があるのか、熊手だけ見ていてもわからないから、いろいろ勉強するよ」と、きさくに話してくれました。

 

 しかし、一生懸命作った熊手も、1年経つと納めて、また新たな熊手にするのが基本。「作るのに時間もかかるし、もったいなくないですか?」と無粋な質問をすると、「いや1年間、稼がせてくれてありがとう、いっぱい働いてくれてありがとうという気持ちで、新たな熊手を持って行くのがいいんだよ」と微笑んでくれました。

 

 熊手の値段はピンキリです。数十万円するものもあれば、1000円で買えるものもあります。熊手を作る職人さんも代替わりを迎えており、福を掻き集めるのも、熊手にとらわれず、枡などの箱型におめでたいアイテムを詰めてみたり、デザインを今風にしたり、見ていて飽きません。

 

 ただし、変わらないのは、「商売繁盛! 商売繁盛!」「家内安全!」シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャンシャン。「よいお年をお迎えください!」と、店の全員が熊手を買い求めたお客さんに、三本締めの拍手と威勢のいい掛け声で弥栄を願う声。

 

 境内のあちこちに響く音は、福のおすそ分けをしてもらっているようで、一緒に拍手したくなります。

 

 高価な熊手を買う場合は、熊手屋さんと駆けあって、値切る楽しみもあるそう。そして、値切ったぶんを「ご祝儀」として店に置く。これが粋な買い方です。ご祝儀に1万円札を何枚も渡している人を見かけました。

 

 いつかそんなお大尽気分を味わいたいですが、今のところは鷲神社の熊手御守を家の神棚で南に向けて開運を祈りましょう。

 

 さて、二の酉は11月21日(日)です。何の酉でも、何時にお参りしても、御利益は変わりません。ただ鷲神社では、午前0時の一番太鼓が打ち鳴らされるとともに、神様のご分霊である熊手御守を一番に受けた人に「一番札」として神社の金小判が授けられる楽しみがあります。

 

 お札を受けられる場所は10カ所あるので、どこに一番札が入っているかも時の運。ちなみに、一の酉で最初に並んだ人は前日の午後3時だったそうです。

 

「一の酉では、コロナで我慢していたうっぷんを晴らして、来年の希望を持ちたいと願う人々の心を感じました」と話すのは、鷲神社権禰宜の宮本智晴さん。

 

 それにしても、鷲神社は趣きある社です。一の酉の翌日、若い女性が社務所に入ってきて、「昨日はどうしてもお参りに来られなくて」と恐縮しながら、熊手御守を求めていきました。

 

 前日と打って変わって、ひと気のない境内でも、社殿のお賽銭箱の上に江戸時代から伝わる「なでおかめ」が迎えてくれます。顔をなでると、さまざまなご利益を授かると伝えられています。金運は鼻、右の頬は恋愛成就など。江戸の人たちも、こんなふうにいろいろ神頼みをしながら、日々を暮らしていたのかも。

 

 もしまだでしたら、二の酉で来年の福を掻きこんでみてください。

 

横井弘海(よこいひろみ)

東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

 

( SmartFLASH )

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