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旅するパティシェール、お菓子を学びに世界50カ国へ/女子アナ日下千帆の「美女は友達」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.23 16:00 最終更新日:2021.12.23 16:23
今回ご紹介する美女は、世界をめぐるスイーツの旅、そんなうらやましい夢を実現したパティシェール、鈴木文さんです。現在は、スイーツコンサルタントとして、企業にスイーツのメニューやコラボを提案されています。
立教大学英米文学科を2006年に卒業した鈴木さんは、アメリカ発祥の高級衣料品店バーニーズジャパンに入社。
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「作家の作品が多い職場だったので、ゼロから何かを作り出すことに憧れもあったのでしょうか。バーニーズ時代は趣味のお菓子作りに燃えていました。休みのたびに、作ったお菓子をカフェにおいてもらえないか、飛び込み営業で売り込みに行きました。ほとんど断られましたが、2軒だけ置いてくれる店があり、チーズケーキが500円で販売されることになりました」
飛び込み営業とは、すごい勇気です。その後、製菓業界への転職活動を始めますが、専門学校を出ているか経験者でない限り採用される可能性は低く、1年間、数えきれないほど応募を続けた結果、2009年にようやくケーキ店への転職がかないました。
鈴木さんのキャリア形成は、やりたいことを実現するため、次々と身を置く場所を変えて新たなスキルを身につける “攻め” の発展型です。
当時、パティシェという言葉が流行となり、自由が丘(東京都目黒区)にはお洒落なケーキ店が続々とオープンしました。フランスから帰国したパティシェが多く、鈴木さんは独学の限界を感じていました。
「製菓業界への転職後は、つらい修業の時期で、悔しくてよく泣いていました。朝5時から深夜まで、作業を見ては覚え、週末はシェフと電話をつなぎながら指導を受け、家でお菓子を作り続けました」
あるとき、フレンチレストランで食べたデザートに衝撃を受け、プレートの上でいくつものパーツを使って表現するデザートを学びたいと思いました。そこで、再び転職活動を始めます。
一流ホテルの最上階にあるフレンチレストランにレジュメを送り続けましたが、人気職種のため書類を見てもらえないことも多かったそうです。
ラッキーなことに、丸の内のペニンシュラホテルで1枠だけ空いているという情報が入り、面接に漕ぎつけました。シェフがフランス人のため、フランス語でレシピを書くなど、刺激的な職場でした。
「私の前のめりの姿勢が採用の決め手になったのではないでしょうか。相変わらずの長時間労働でしたが、やっと仕事が楽しいと思えるようになりました。
そのお店に3年勤めましたが、また欲が出て、今度は自分でメニューを作れるようになりたいと思いました。メニューを作れるのはシェフパティシェだけなので、次は、シェフパティシェになれる職場を探し始めました」
さらに狭き門となるシェフパティシェでしたが、たまたま会員制レストランで1名募集しているのをネットで見つけたそうです。
「3次試験までをクリアし、合格できました。初めてオリジナルデザートが採用され、季節に合わせて年間約15種類のデザートを作っていました。
このレストランでは、お茶菓子にマカロンが出されましたが、マカロンがイタリア発祥だと知らなかったことが悔しくて、29才のときに世界中のスイーツを学ぶ旅を始めました。南米、中米、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの50カ国を周り、500種類のスイーツを学んだんです。
■キューバにて
さまざまな経験のなかで特に印象に残っているのは、社会主義国キューバでした。
長年アメリカから経済制裁を受けているキューバでは、食糧事情がよくありません。ピザ1枚買うのも一苦労で、卵の配給に行列ができるほどです。当然、パティスリーも少なかったのですが、奇跡的に一軒だけショーケースにたくさんのお菓子が並ぶパティスリーに出合いました。
その店にアタックしたところ、厨房でお菓子を学ばせてもらうことに。一緒に作らせてもらったお菓子は、なんと小麦粉やバターをふんだんに使うフランス由来のミルフィーユでした。しかも、帰りにはお土産までもたせてくれました。
2016年の帰国後、お菓子ブランド「SEKAI NO OYATSU」を立ち上げ、豊島区の西池袋で念願のカフェをオープンしました。
「飛び込み営業でチーズケーキを置いてくれたお店を曜日借りし、旅先で出合ったお菓子のなかから厳選した8種類を出していました。日本人の口に合うように工夫して、お客様の反応を見たかったのです」
2021年9月には、著書『世界のおやつ おうちで作れるレシピ100』が、「第8回料理レシピ本大賞 in Japan 2021」のお菓子部門で準大賞を受賞。
今後は、どのような活動をしていきたいですか?
「お菓子を “コト” としてデザインする場を作りたいです。お菓子は、ただ甘くてお腹を満たすためだけの “モノ” ではないことを、世界を旅して改めて感じました。お茶やコーヒー、器、お菓子を作る道具や身支度までもが、お菓子をたしなむ時間を彩る、それを表現できる場が欲しいです」
将来、鈴木さんプロデュースのエキゾチックでお洒落なお店が、街に出現しそうですね。日本にいながら世界のおやつを体験できるなんて楽しみです。
■「やりたい」を叶える3カ条
(1)常に自分の気持ちと向き合う
(2)常に “学び” に貪欲に
(3)先入観を持ちすぎない
●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も
( SmartFLASH )