ドラマが空前の低視聴率で打ち切られれば、必ず詰め腹を切らされる人がいる。かと思えば、人気番組のプロデューサーは1億円を超す制作費を着服し、女優と交際していたーー。
『銭形金太郎』や『ミュージックステーション』などを手がけたテレビ朝日の男性プロデューサー・I(45)が、外部の制作会社に架空の業務費などを請求させてはキックバックを受け、約1億4000万円を着服。11月19日付で懲戒解雇された。Iの羽振りのよさは有名だった。
「音楽番組を担当していたときは、目をかけていたロックバンドが売れると“お疲れさん会”と称してキャバクラに連れていっていた。お金のことを人に聞かれると、『俺は株で儲かっている』と説明していた」(テレビ局関係者)
女性関係も派手。別のテレビ局関係者は次のように話す。
「仲のいいレギュラータレントと、よく合コンをしては、女のコを持ち帰っていたね。局内でも、一時は10歳近く年下の美人女子アナとつき合っていたそうだ。また、自分がファンだった元アイドルの大物女優を自分の番組に出演させ、それをきっかけに交際していたこともある。まさに公私混同だ」
Iが問題になった裏には、社内の派閥争いを指摘する声もある。
「昔から制作費を架空請求する社員はいますが、局が『お金を仕事のために使っている』と大目に見て、問題にならないケースが多い。だがIの場合は、着服した1億4000万円を私的に流用したとして懲戒解雇になった。
じつはテレビ朝日はいま、編成局長のH氏が強い権限を握っているが、IはH氏とソリが合わなかった。今回の件は、H氏に逆らうとこうなるという見せしめだと、社内ではいわれています」(前出のテレビ局関係者)
着服した1億4000万円について局に弁済を申し出たことで、Iは刑事告訴を逃れた。だがIの住む都内の一戸建てには、まだローンがかなり残っている。償いの道は遠く長い。
(週刊FLASH 2013年12月10日号)