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江戸東京博物館、3月末の休館前にすべり込み体験/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナ 投稿日:2022.03.18 16:00FLASH編集部

江戸東京博物館、3月末の休館前にすべり込み体験/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

 

 東京・両国の江戸東京博物館が、3月いっぱいをもってしばらく休館となります。

 

 東京の歴史と文化をふりかえることによって未来の東京を考える博物館として、1993年に開館し、約30年が経過。施設全体の劣化が進んだため、全館休館にして大規模改修工事に入ります。期間は今年4月1日から2025年度中の予定。

 

 あ、休館まで2週間もない! それで急に行きたくなりました。生まれ育った東京の歴史や文化はわかった気になっていて、足を運ぶことがあまりなかったのですが、誰でも楽しめる体験型の博物館として、年齢を問わず人気なのです。

 

 

 天井が高い大空間は常設展示室です。中央には原寸で再現された木造の日本橋がかかり、そこから両側に、江戸と東京の各展示ゾーンが見下ろせます。

 

 企画展は「徳川一門〜将軍家をささえたひとびと」が3月末まで延長開催中。慶長3年(1603年)に徳川家康によって江戸幕府が開かれて以来、徳川家による泰平の世がどのように15代、260年余も続いたかに迫っていました。

 

開催中の企画展入口

 

 常設展示室は、江戸から現代の東京までの約420年を網羅しています。

 

 日本橋がドーンと中央に鎮座するのは、諸街道の起点だからに違いありません。江戸時代、日本橋一帯には魚河岸、米河岸、材木河岸が作られ、多くの人と物資と情報が集まり、多様な文化が発展しました。

 

 日本橋は昔も今も都のシンボルなのでしょう。ご存じかもしれませんが、2040年には日本橋の上にかかる首都高速を地下トンネル化して昔の姿に戻す計画があります。

 

 日本橋を渡ると、目に入るのは幕末の江戸城。縮尺200分の1の本丸と二丸御殿や、忠臣蔵の「殿中でござる」の「松の廊下」。

 

 江戸城を中心に、将軍直参の旗本・御家人、大名とその家臣や家族が住む武家屋敷、さらに商人や職人など町人の居住地、寺社地が配された「町割り」の様子も模型で伺えます。江戸城は驚くほど大きく、町人の家は本当に小さいことが実感できます。

 

江戸城の模型

 

 面積も人も経済も文化もすべてが膨張した江戸時代。長期間の大がかりな工事で丘陵地を切り崩し、入江が深く入り込んだ低湿地を埋め立て、宅地を造成し、延享年間(1744~1748)には1678町、人口百数十万人の大きな都市に拡大しました。「大江戸八百八町」どころではありません。

 

 町人は、経済的には貧しくても、近隣と助け合い、文化的な生活を送っていた様子が伝わってきました。「江戸っ子は宵越しの金をもたない」とよく言いますが、歌舞伎の中村屋の芝居小屋は外観から楽しそうで、江戸っ子としては何をおいても観にいこうという気持ちになったことでしょう。

 

歌舞伎助六の舞台

 

 さて、1868年の明治維新とともに、江戸は東京となり、近代国家にふさわしい首都の建設がすすめられました。

 

 日本橋から右側に見下ろす朝野新聞の建物は「文明開化」のシンボル。東京は関東大震災や東京大空襲という壊滅的な打撃を受けても、成長し続けました。昭和30年頃からは高度成長期に入り、人々の暮らしはさらに豊かになりました。

 

朝野新聞社前

 

 展示が充実している江戸東京博物館ですが、実は建物自体が時代を映す生きた遺産だと思うのです。巨大で個性的。4本脚で支えられた建物は上部と下部に分かれており、その間が「江戸東京ひろば」と名づけられた空間になっています。

 

 設計は故・菊竹清訓(きくたけきよのり)氏。脚の部分には大型バスが何台駐車できるのかと数えたくなる大スペースがあり、博物館入口に向かう途中、余裕のある造りに感心。

 

 建物の高さは62m。この高さは、江戸時代の初期に築かれ、「明暦の大火(1657年)」の飛び火で焼失してしまった江戸城天守閣と同じだそうです。

 

 4代将軍家綱の叔父である保科正之が「戦国の世の象徴である天守閣を建てるのは時代遅れで、城下の復興を優先すべき」と提案したことから、天守閣は再建されませんでしたが、模型には天守閣が立っていました。

 

 開館した1993年と言えば、日本がまだ元気だった時代です。ほぼ同時期にできた東京の有名な建造物には、東京都庁舎(丹下健三設計で1990年に完成)や東京国際フォーラム(ラファエル・ヴィニオリ設計で1996年竣工)があり、どれも贅沢な造りが共通しています。

 

 東京など18都道府県に適用されているまん延防止等重点措置が、3月21日をもって解除されます。桜の蕾も膨らんできました。春風に誘われて江戸・東京を発見する1日もおすすめです。

 

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

 

( SmartFLASH )

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