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見終わると笑顔に…「木梨憲武展」で幸せオーラに包まれる/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナ 投稿日:2022.06.10 16:00FLASH編集部

見終わると笑顔に…「木梨憲武展」で幸せオーラに包まれる/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

新作「REACH OUT TOUR」

 

 とんねるず木梨憲武さんの個展木梨憲武展 Timing-瞬間の光り-」(6月26日まで)が、東京・上野の森美術館で開催中です。

 

 2018年7月から全国19カ所を巡回し、東京が最終の開催地。絵画、ドローイング、オブジェ、映像など約200点で構成されています。コロナ禍で延期になってしまった間も描き続け、新作が7割を占めます。

 

 

 芸能界の仕事だけでも多忙だと思いますが、どうやって時間を作っていらっしゃるのでしょう。そもそも制作のアイデアやエネルギーがどうやって生まれるのか、とても興味深いです。

 

 画家・木梨憲武さんにとっては、1994年に「木梨憲太郎」の名前で初個展「太陽ニコニカ展」を開いて以来、今回の「Timing」は国内で9度めの個展。ニューヨークとロンドンでも個展を成功させています。

 

 先日、予約せずにふらりと立ち寄ってみたところ、大変な混雑で、1時間は待たないと入場できないとのこと。展覧会を見終えた人たちも、グッズを買うためショップの列に並んだり、美術館の外で撮影したり、余韻にひたっている様子です。

 

 美術館の外壁に飾られたパネルの前に立ち、憲武さんが大きな口を開けて叫んでいるポーズを真似たり、憲武さんそっくりの顔のついた「顔はめ看板」の穴に自分の顔を出してみたり。

 

「かわいい」「めっちゃ、よかった」などと、はしゃいでいる人たちの笑顔が印象的でした。会場を出てからも、みんながこんなに楽しそうにしている展覧会を見逃すわけにはいかないと思い、予約を取って平日に出直しました。

 

美術館外壁のパネル

 

 展示レイアウトを、妻の安田成美さんと相談して決めたという会場は、自由な発想で、カラフルな色使いの作品が並んでいます。まず迎えてくれるのは、「Flowers」「ROSE」のコーナー。

 

 私は作品を見るのは初めてで、「こういう絵を描かれるのかぁ」というのが第一印象でした。描かれたお花はどんな色使いでも、なぜかハッピーで、温かい。テレビ画面を通して伝わる憲武さんの人柄そのものに思えました。

 

 後に続く「REACH OUT(リーチアウト)」シリーズもまさに木梨ワールド。モチーフは手です。油性マジックペンで手を描き、キャンバスいっぱいに手と手を自由自在につなげ、そこに目を描くなど、躍動感あふれる不思議な絵です。

 

 憲武さんは、20数年もこの「手」をモチーフにして絵を描いてきたそうです。英語で「REACH OUT」は、「手を伸ばす」とか「手を差し伸べる」という意味。

 

 ご自身とLiLiCoさんの音声ガイドは、作品をこう解説しています。

 

「ハイタッチや握手で『はじめまして』の瞬間は、出会いのリーチアウト。人は、家族や友達、仕事のスタッフ、ご近所など、ほぼまわりの全員とつながって、助けてもらっている。それは、心のリーチアウト。手がつながっていくと、円になり、世界中の人と仲よくなっていく――」

 

 手と手に込められた意味は、とても深いのです。

 

 リーチアウトシリーズは、年を経て、少しずつ形も変化(進化?)しています。キャンバスは四角から円になり、2次元から3次元の世界になって、今回は約3メートルの高さをもつオブジェ「REACH OUT TOWER」という最新作も展示されています。

 

円形の「REACH OUT」

 

 屋久杉を、手の形にカットして、立体的に張り付けた「SENTE KANNON」も素敵です。会場では、「作品の前で、ゆっくり手を合わせて!」と憲武さんが冗談ぽく言っていましたが、まさに衆生を助けてくれる千手観音のよう。一つ一つ色や味わいが違うたくさんの木製の手から、憲武さんのメッセージがじんわり伝わってくるようです。

 

 個人的には「フェアリーズ」シリーズが好きです。

 

「アドリブで妖精を作ろう!」と思い立ち、段ボールとハサミとボンドだけで、さまざまな妖精を作り始めたそうです。お菓子などのパッケージも使い、カラフルな妖精たちが新たに生まれました。1体の大きさはほとんどが5cmくらいですが、全部で2000体以上あり、すべてに名前がついています。

 

 隣にいた若い女性が思わず声を上げました。
「家のもの、何ひとつ捨てられないねー。すごい!」

 

 妖精それぞれの愛らしい表情と個性的な姿。童心に帰るというより、子供のように純真な心を持った人にしか作れないのではないでしょうか。

 

「フェアリーズ」シリーズ

 

 憲武さんは「いろいろ作るうち、お菓子のパッケージが使いたいと思い、中身は食べずにパッケージだけ使うと、成美さんに怒られる」と音声ガイドで話していましたが、憲武さんの才能とユーモア、そして、安田成美さんの優しい笑顔が目に浮かび、作品を通して木梨家の幸せな空気を感じられます。

 

 会場を出た後、なぜみんなが笑顔になってしまうのか、わかる気がしました。

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

 

( SmartFLASH )

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