観測史上最速で梅雨が明け、ヤクルトにマジックが点灯しました。2位巨人とのゲーム差は12.5。なんということでしょう。オールスター戦前に、セ・リーグの灯を消してはいけません。昨シーズン、ヤクルトに唯一勝ち越したタイガースが、きっとメークドラマしてくれます!
ところで、タイガースファンの皆さん、暑い日が続いていますが、体調はいかがですか? 気温や湿度が高いので、この季節は体温のコントロールがとても難しいですよね。甲子園のグラウンドも同じです。突然のゲリラ豪雨で土がぬかるんだり、日照りが強すぎて乾きすぎたり。コンディションをキープするのは大変です。そんなとき、スコップやトンボを片手にグラウンドへ飛び出し、あっという間に “神整備” してしまう職人たち。タイガースファンならもうおわかりですね!
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今回は「阪神園芸」のお話です。水と土と芝を自在に操るスペシャリストに迫ります。私がアシスタントを務めている中村七之助さんのラジオ番組『ラジのすけ』(ABCラジオ)で、グラウンド整備歴18年という水谷貴義さんに伺ったエピソードを中心に紹介したいと思います。
■試合中は投手、打者、走者の足元に目がいく
阪神園芸は1968年創業の造園会社で、社員数は177名(2022年3月31日時点)。うち「1割ほどがグラウンド整備を担当」しているそうです。
ーー甲子園球場に阪神園芸の皆さんが出てくると、大きな拍手が起こります。それをどう感じてらっしゃいますか?
「恥ずかしいです。(球場内の)皆さんが前のめりになりますからね。主役はあくまでも選手なので……。見られているという意識はあります」
ーー阪神園芸の強みはどこにあるのでしょうか?
「日々のグラウンドの整備の仕方によって、水捌けなどが変わってきます。その管理方法が、他社にはない特徴かなと思います。グラウンドの条件は毎日違いますし、一日のなかでも変化しますからね」
ーー試合中、どんな目線でご覧になっていますか?
「試合展開はあまり頭に入ってきません。それより、グラウンドでのボールの転がり方、投手、打者、走者の足元に目がいきます。足が(土に)取られるくらい掘れてしまっていないか、マウンドが滑っていないかなど。そういうところばかり見ていますね」
ーー甲子園球場の素晴らしさとはどんなところ?
「色合いですね。外野の芝生の緑と、グラウンドの土の色。特に(雨に)濡れていると土が黒っぽくなるので、そのコントラストがきれいですね」
ーー甲子園以外で整備をすることはありますか?
「高校、大学、社会人のグラウンドも整備しています。去年までの6年間、楽天イーグルスも担当していました」
ーー選手たちの反応はいかがですか?
「『今日はグラウンドの状態がいいですね』と言われる日は、だいたい雨上がりが多いです。雨によって、土に水が均一に染み込むのが大きな理由だと思われます。だから、グラウンド作りには雨も必要なんです。ちなみに、黒土は火山灰を主成分とした鹿児島産を取り寄せています」
ーー打球のイレギュラーは気になりますか?
「イレギュラーは仕方のないことなんですけど……。イレギュラーがヒットになってはいけないという思いで、グラウンドを整備しています」
甲子園球場の名物となっている壁の蔦も、阪神園芸が管理しています。じつは壁の下のほうに花壇があって、そこから蔦が生えているそうです。甲子園球場へ行く機会があったら、ぜひ、花壇もチェックしてみてください。
ひろどあゆみ
1991 年10月25日生まれ 兵庫県出身 2014 年4月、朝日放送(現朝日放送テレビ)に入社。『熱闘甲子園』『芸能人格付けチェック』『サンデーLIVE!!』などに出演中
※ABCテレビの阪神タイガース応援チャンネル、YouTube「虎バン」配信中
写真・木村哲夫、共同通信
ヘアメイク・ツジマユミ
※成績は7月7日現在