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『アンパンマン』『ウォーリーをさがせ!』ヒットの陰の功労者は絵本の目利き/女子アナ日下千帆の「美女は友達」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.21 16:00 最終更新日:2022.07.21 16:00

『アンパンマン』『ウォーリーをさがせ!』ヒットの陰の功労者は絵本の目利き/女子アナ日下千帆の「美女は友達」

木村さん(左)と日下アナ

 

 今回ご紹介する美女は、世界中で人気の『アンパンマン』や『ウォーリーをさがせ!』のヒットを陰で支えた木村美幸さんです。現在、木村さんは一般社団法人「チャイルドロアクリエイト」の代表理事で、出版社フルーベル館の顧問も務めていらっしゃいます。

 

 三重県松阪市出身。小学校2年生のときの作文に「将来は編集者か作家、または新聞記者になりたい」と書いたとおり、そのすべてを実現された「引き寄せ」の達人です。

 

 

 お爺さまが、宮本武蔵の『五輪書』に書かれている『万里一空』の教え(目標を見失わずに努力すること)を説き、「迷ったら困難だと思われる道を行け!」と言っていたことを意識して生きてきたそうです。

 

 1982年、日本大学法学部新聞学科を卒業した木村さんは、桐原書店に就職し、子供の頃からの希望だった編集の仕事に就きました。

 

 結婚後、旦那さまの転勤でドイツに移住すると、現地の公的な交流機関「ゲーテ・インスティテュート」でドイツ語を学びながら、現地から日本の新聞社や出版社に記事を送るようになります。

 

 1986年に帰国し、児童書で有名なフレーベル館に入社。最初は一般書の担当で、各界の有名人のインタビュー集や働く女性の生き方の指針になるような書籍を出版していましたが、まもなく会社から児童書への異動を打診されました。

 

 まったく経験のない分野への異動に躊躇していた木村さんの背中を押してくれたのは、当時まだ幼かった息子さんの言葉でした。

 

「せっかくフレーベル館に入ったのだから、僕の読める本を作って!」

 

 そして、木村さんに運命的な絵本との出会いがおとずれました。1987年にイギリスで刊行された『ウォーリーをさがせ!』です。1980年代の終わりから、日本でも一大旋風を巻き起こしました。絵本を飛び出したウォーリーは、ゲームやキャラクターグッズになり、企業のテレビCMにも登場します。

 

「これぞ絵本の真骨頂。何度も遊べて、コミュニケーションの手段にもなる。絶対に売れる!」と木村さんは確信したのです。実際、シリーズ化された絵本は売れ続け、大ベストセラーのひとつになりました。

 

 フレーベル館には、もう一つ世界的に有名なキャラクターである『アンパンマン』もあります。『アンパンマン』は、1973年に保育絵本『キンダーブック』に登場しましたが、最初の数年間はほとんど売れませんでした。それを国民的なマンガにまで育てたのは、木村さんたちの販売努力でした。

 

「『アンパンマン』には、自己犠牲をいとわず他人を救う愛と勇気が描かれています。私も当時はプロモーションのため、営業マンと一緒に全国を周ったものです」

 

 1988年10月、アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)が始まると、予想を上回る10%を超える高視聴率を記録し、1989年には「文化庁優秀番組賞」を受賞しました。2009年、1768体のキャラクター数でギネス認定を受けましたが、その後もキャラクターは増え続け、現在は2000体を超えているそうです。

 

 木村さんは、子育てが大変なときも、毎日3~4時間ほどの睡眠で土日も出勤という激務をこなしました。39歳で会社の幹部に上りつめますが、編集が好きだったので、マネジメントにまわることに葛藤を覚えたそうです。しかし、気持ちを切り替え、後進の育成に励みました。

 

 ところが、40歳を迎えた木村さんに、深刻な病魔が忍び寄っていたのです。

 

「働き過ぎが祟ったのか、副腎の悪性腫瘍の可能性を宣告されました。医療関係の知人に友達の話といって問い合わせたところ、かなり深刻なことを言われ、さすがに落ち込みました。家族に内緒で遺書のようなものも書きました」

 

 このとき、息子さんからは「命より大事なものはない」と言われたそうです。副腎を全摘する大手術の後、幸い元気を取り戻した木村さんは、仕事に復帰することが叶いました。

 

 2021年春に取締役を退き、今後は顧問という立場でフレーベル館に関わっていかれます。一方で、ご自身で立ち上げた社団法人で、絵本・書籍の出版、出版社のコンサル、絵本作成講座とたくさんの業務を同時並行でこなしていらっしゃいます。

 

「絵本カタリスト」としての活動

 

 由美村嬉々(ゆみむらきき)という作家名で絵本を書いている木村さんは、「絵本カタリスト」(絵本の目利き)でもあります。今年2月には、これまでの仕事の集大成ともいえる『これだけは読んでおきたいすてきな絵本100』(風鳴舎)を出版されました。

 

 多忙を極めるなか、執筆時間を取るのは大変だったのではないでしょうか?

 

「昨年の夏、自転車で仕事に向かう途中、スカートが車輪に挟まって転んでしまいました。救急車で運ばれる大ケガだったのですが、自宅療養していたときに、部屋にあった何百冊もの絵本が語りかけてきたのです。

 

 このケガのおかげで一気に書き上げることができました。私にしか書けない絵本のガイドブックで、書いているうちに元気になりました。私は、誰よりもメンタルが強いと思っていて、体力はメンタルについてくると信じているのです」

 

 木村さんから直接、絵本について学びたい方は、ワークショップ(7月23日、千葉県市川市のニッケルコルトンプラザで開催)や絵本教室(8月27日、神保町ブックハウスカフェで開催)に参加されてはいかがでしょう? 絵本作りを新しい趣味に加えたら、また一つ人生の楽しみが増えそうですね。

 

■長くキャリアを積むための3カ条

 

(1)苦手なことにチャレンジする!
 自らを追い込み、克己心をもって生きてみましょう。

 

(2)前向きに人生の設計図を描いていく
 しっかりプランを立てれば、選択で迷うことはありません。

 

(3)現状に満足せず、「万里一空」を胸に生涯現役を貫く
 明日死んでも後悔しない生き方をしていきましょう。

 

日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

 

( SmartFLASH )

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