芸能・女子アナ
『相棒』『ドクターX』ロケに使われた文化財料理店、不景気に勝ち抜く/女子アナ日下千帆の「美女は友達」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.28 16:00 最終更新日:2022.07.28 16:00
最近のレトロブームにより、昭和のファッション、食器、テーマパークなど、古きよき時代のものが再び脚光を浴びています。今回は、ノスタルジックな気分に浸りたい昭和ファンのみなさまが大喜びしそうな浅草の老舗料理店にお邪魔しました。
今週の美女、宮代清子さんが女将を務める「浅草茶寮一松」は、1952年の創業から3代続く老舗。2021年、建物と塀が国の登録有形文化財に指定されました。
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「建物を褒めていただけるのが一番うれしいです。床の寄せ木、網代編みの天井など、今の時代にこれらを再現することは難しいと思います。職人の手の込んだ仕事が残っている建築を、ぜひ見ていただきたいですね」
松竹梅や富士山、天女にうさぎの月見など襖絵も美しく、柱や梁にもさまざまな工夫が凝らされています。『相棒』(テレビ朝日系)や『ドクターX』(同局系)など、テレビドラマやCMの撮影にもよく利用されているので、見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
「先日、ビートたけしさんの半生を描いた『浅草キッド』(ネットフリックス)というドラマを見ていたときのことです。どこのお店で撮影してるのかとよく見たら、なんとうちでした(笑)。あまりに撮影が多いので、覚えていられないほどです」
創業者であるお爺さまは、1代でこのお店を大きくした腕のよい調理師だったそうです。またお母さまは、女性で初めてフグの調理師免許を取得し、新聞に掲載された方でした。調理師のご両親に育てられた宮代さんは、小さい頃から下足番や皿洗いのお手伝いをして、お店とともに成長されました。
学習院文学部哲学科を卒業後、25歳から着物でお店に出るようになりましたが、掛け軸など美術品に関するお客さまの質問に答えられず、「着物に着られているね」などと嫌味を言われてしまうこともあったそうです。
「私が看板とならなければいけないのに、これでは店がかわいそうだと思い、まず大好きな器の事典を読むことから勉強を始めました。次第に、和の文化の基礎はつながっていることがわかりました」
1983年に宮代さんが女将を継いでから、何度か景気の波の影響を受け、苦境に立たされたことがありました。最初は、1990年代に起きたバブル崩壊でした。店と従業員の雇用を守るため、宮代さんは他店を食べ歩いて味の研究を始めました。
「その頃は、すでに両親も厨房から身を引いていました。祖父の味は本当においしかったので、このままではいけないという気持ちが強く、もう一度最初から勉強を始めたのです」
2008年に起きたリーマンショック後も、再び窮地に立たされます。このときは「日本料理食卓作法」の資格を取得し、サービスの向上に努めました。
また、今回のコロナ禍では、夜の接待はおろか、ランチの集客さえ厳しい状況となったため、偶然、空きが出たお隣のビルに和菓子店を出店し、そこでお弁当の注文を受け始めました。さらに、平日限定で2420円のランチコースを設けたことで、客足が戻ってきたそうです。
常に新しいことに挑戦し、前に進んでいく意志の強さをお持ちです。今後はお食事の提供だけでなく、和の文化を学べる講座を開催していかれるそうです。
「和の習い事は、和の空間で学んでいただきたいです。そうでないと和のマナーは学べません。日本文化を好きな方が、一人でも増えてくれたら嬉しいです」
美味しいお食事をいただきながら、浅草の歴史を感じてみるのはいかがでしょうか?
■幸せに生きるための3カ条
(1)買える苦労は進んで買おう
(2)一人で生きているわけではないと常に意識しよう
(3)好きなことを見つけて、まずはスタート地点に立とう
●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も
( SmartFLASH )