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羽田空港のとなりで開かれるデジタル縁日、見たこともない花火に金魚すくいにお面/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.19 16:00 最終更新日:2022.08.19 16:00

羽田空港のとなりで開かれるデジタル縁日、見たこともない花火に金魚すくいにお面/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

夏といえば花火

 

 今年の夏は、コロナの影響で中止となっていた花火大会や盆踊りなどが、久しぶりに戻ってきたところも多くあります。私も8月3日、3年ぶりに開催された新潟県の長岡まつり大花火大会を見に行きました。たまに大粒の雨が落ちてきましたが、誰もひるむ様子はなし。浴衣姿で尺玉を見上げる人々のうれしさあふれる表情、花火が上がるたびに鳴りやまない大きな拍手、通りに露店が並ぶ「縁日」の明かりに、「日本の夏は、やっぱりいいなぁ」と心から感動しました。

 

 

 ところで、こうしたイベントに欠かせない「縁日」は、もともとは神さま、仏さまと縁がある日を意味していたそうです。昔から、縁日には神社仏閣でお祭りや供養がおこな われ、この日に参詣すると特にご利益があると信じられてきました。縁日は地域に住んでいる人々の集いの場であり、神さまと人、人と人との縁をつないできたのです。

 

 金魚すくいやラムネ、綿菓子ばかりを思い浮かべてしまいますが、縁日は時代を超えて、ついにデジタル化しました。羽田空港の隣、天空橋駅に直結するHANEDA INNOVATION CITY 『羽田出島」では、毎週末と祝日に『縁日|ENNICHI by 1→10』が開かれています。

 

 先端テクノロジーを愉しみながら、日本の伝統文化を楽しく学べる体験型コンテンツ。プロジェクションマッピングやセンサーを駆使した最新の映像技術で、賑やかなお祭りがデジタルアートで再現されているのです。

 

 この不思議な「ENNICHI」は、この世の人や物事、ありとあらゆる縁をつなぐために、日本全国から八百万の神さまたちがあつまる特別な縁日だそう。なかを少しだけご紹介しましょう。

 

 鳥居をイメージした通路を通って異空間に入った後、「よろずの縁を結ぶ場所」を以下のように進んでいきます。

 

・日本の伝統色を学ぶ「彩金魚(いろどりきんぎょ)」
・日本の花火を学ぶ「縁花火(ゆかりはなび)」
・日本の文様を学ぶ「柄時雨(がらしぐれ)」
・日本の行事〜節分〜を学ぶ「福豆蒔(ふくまめまき)」
・日本のお面を学ぶ「面化粧(おもてけしょう)」

 

「学ぶ」と書かれていましたが、デジタルアートの世界は本当に驚きで、楽しみながら自然に興味を持てるところが素晴らしいところです。子供づれやカップルはもちろん、浴衣姿の女子グループなど、どの年代からも関心が高いようです。

 

 たとえば「彩金魚」の部屋は色とりどりの金魚が泳ぐ池のなか。金魚に触ると、涼しげな水の音とともに金魚がまとっていた色の名前の由来になった草花に変化します。四季折々の自然豊かな日本では、色の名前の多くが草花から取られていることを知りました。

 

「縁花火」の花火は、ただ華やかにポンポンと音を立てて打ち上がるだけでなく、前に立つ人の動きや複数の人たちとの動きのかかわりによって色や大きさが変化していきます。「柄時雨」で描かれる美しい文様には、日本の色の鮮やかさと昔の人々の思いや祈りが隠されています。

 

 子供たちが一番興奮していたのは「福豆蒔」の部屋。平和な縁日に鬼が災いをもたらそうとしている場面で、豆をまいて鬼を退治し、さらなる福を呼びこもうというストーリーです。豆に見立てたボールを投げる子供たちは鬼退治に夢中になり、壁に映った鬼に自ら突進していく勢い。2月の節分に、こんなに激しい豆まきをしている家庭はないだろうとも思いますが、鬼退治をおこなううちに、その意味をあわせて知るに違いありません。

 

「面化粧」という不思議なお面屋でも、子供たちの笑顔は絶えません。自分で入場前に塗り絵で色をつけたお面が、スキャンされて市場に飾られ、さらに、そのお面には命が吹き込まれ、表情を持ち、生き生きと動きだすからです。「すごいー」と言いながら、自分のお面の前で家族とともに写真を撮っている表情はとても楽しそう。

 

 縁日は縁日。最新のテクノロジーを使った施設でも、昔からある神社と同じく、人と人とをつなぐことはできるようです。「ENNICHI」を歩けば、新しい縁日の世界を堪能できること請け合いです。

 

 羽田空港に近いこの施設。当然、外国人に対して日本文化を知らせることも目的としていますが、日本人でありながら初めて意味を知るものも多く、私も「へぇ」と楽しい発見が多い時間でした。

 

横井弘海(よこいひろみ)
 東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

 

( SmartFLASH )

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