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増田明美「『ひよっこ』ナレーションは永六輔さんのおかげ」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2017.05.25 06:00 最終更新日:2017.05.25 08:34

増田明美「『ひよっこ』ナレーションは永六輔さんのおかげ」

 

「みね子を演じる架純さんは、休憩中に休みもせず、楽屋で方言指導の方から、茨城弁を一生懸命習っていました。すごい真面目でひたむき。ベストを尽くすところはみね子そのものね」

 

 そう語るのは、『ひよっこ』でナレーションを務める、元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さん(53)だ。劇中では、みね子が通う高校の体育教師役でも出演した。

 

「生徒と話しながら並走するシーンでは、私が速すぎて生徒役の男の子が追いつけなくてNGを出した」と増田さんは笑う。

 

「架純さんに『紅白の司会、上手だったね。嵐の相葉さんとも息が合っていたし』と話したら、『あれはすごく落ち込みました』と恥ずかしそうに答えた。本当に素直でかわいらしい人だなぁと」

 

 昨夏に出演オファーがあったとき、最初は務まるか心配だった。

 

「『昭和の文化を、マラソンの解説に盛り込む小ネタを言うように紹介してほしい』と言われました。『それならできるかも』と思って引き受けたんです」

 

 選手の趣味、好きな食べ物から家族の話まで……落ち着いた声で細かい情報満載のマラソン解説が増田さんの持ち味だ。この解説のファンであるプロデューサーからのオファーだった。

 

「永六輔さんのおかげですね。引退してから半年後、ラジオのパーソナリティに抜擢されました。そのとき、お手本にしたのが永さんでした。ラジオなのに風景が浮かぶ、匂いが伝わってくる。実際にお会いしたときに、『永さんのようになりたいです』と言ったら、いろいろ教えてくださるようになりました」

 

 増田さんのマラソン解説を聴いた永さんは、こう言ったという。

 

「人のことを話すときは選手のことを五感で感じなければいけません。取材というのは、材を取りに行くこと。会いたいと思う人の所へは行って、肌で感じて帰ってこなくてはダメ」

 

 増田さんは合宿場や練習場に足しげく通い、選手を取材するようになった。持ち歩くA4判のノートには選手のエピソードがびっしり書き込まれている。

 

 マラソンの解説とは違って、『ひよっこ』のナレーションには台本がある。それでも増田さんは準備に余念がない。

 

「私はマラソンランナーだったせいか、スタートラインに立つまでが大事なんです。どれだけ、満足のいく練習ができたか。だから、台本はいつもバッグの中に忍ばせています。自宅では主人を相手に練習をするの。『ここは思いをたっぷりに』とか、アドバイスをしてもらっています」

 

 朝ドラは半年間の長丁場。だが、選手時代と同様に、増田さんは最後まで全力で走るつもりだ。

 

ますだあけみ 1964年1月1日千葉県生まれ 高校在学中より長距離種目で次々と日本記録を樹立。1984年ロス五輪には女子マラソン選手として出場。1992年に引退。現在は大阪芸術大学で教授を務める

(週刊FLASH 2017年5月9日、16日号)

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