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松任谷由実、デビュー50年の軌跡「YUMING MUSEUM」で思わず口ずさむ/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.10 16:00 最終更新日:2022.12.10 16:00
「YUMING MUSEUM」(ユーミン・ミュージアム)が、東京・六本木ヒルズの東京シティビューで始まりました(2023年2月26日まで)。
今年デビュー50周年を迎えた松任谷由実(ユーミン)の魅力を体感できる、過去最大規模の展覧会です。歌詞を書いた直筆メモをはじめ、ステージ衣装、米軍基地で手にいれたレコードコレクション、子供の頃からの写真、実家の部屋の再現など、ユーミンワールド炸裂の展覧会です。少しだけ内容をご紹介しましょう。
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東京の街を一望する海抜250m、ガラス張りのスカイギャラリーの中央にはグランドピアノが置かれ、楽曲の譜面やメモの複製100点以上が天井から床にちりばめられ、インスタレーションとなっています。
ユーミンの曲は、実は天から降ってきたのだと感じました。ちょっと丸文字の女の子らしい文字でつづられた譜面は、目を凝らしてみると懐かしい曲のオンパレード。つい口ずさんでしまいます。
無料の音声ガイドは、ユーミン自らが説明しています。歌同様、独特の声に癒されます。デビューシングル『返事はいらない』のB面『空と海の輝きに向けて』を、まだ10代のユーミンが歌った特別なデモ音源も聴くことができて、最高に楽しませてくれます。
歩みを進めると、通路の右側に、これまでリリースした39枚のアルバムのジャケットがずらりと並んでいます。そして左側には、幼少期からの写真75点が展示された「50years」のコーナー。写真の間から、ユーミンを育んだ東京の街が遠望できます。
ユーミンは東京・八王子の老舗呉服店のお嬢さんとして裕福に育ちましたが、夜な夜な家を抜け出して、港区にある伝説のレストラン「キャンティ」の最年少の常連客になりました。ユーミンが日本を代表するシンガー・ソングライターになった背景には、都会の空気から受けたインスピレーションが、間違いなくあったはずです。
奥の正面は、題して「はじまりの部屋」。ユーミンが若き日を過ごした八王子の実家の部屋が再現されています。棚には、ユーミンが夜に家を抜け出すとき、まるでベッドに本人が眠っているかのようにカモフラージュに使った「コマチヘア」のウィッグが飾られています。これには、思わず爆笑です。
多摩美術大学で日本画を専攻していた時代の絵、子供の頃に習っていた三味線、荒井由実時代に使ったグランドピアノなど、多彩な魅力をもつユーミンの秘密を想像できる展示です。
ほかにも、今回、実家で見つかった貴重な資料が初公開。『翳りゆく部屋』の歌詞のメモなど、ファンならガラスケースから離れられないかもしれません。
そして、2000回を超える公演で着た衣装の数々も見逃せません。意外なことに、ユーミンはステージ衣装はまったくおまかせのよう。でも、現在でも超ミニスカートでさっそうと歩くセンスとスタイルのよさで、どんな衣装も華麗に着こなしてしまいます。並ぶマネキンは、まるで本人がポーズを取っているかのようです。
最後のコーナーは、「On going」と題された、今のユーミンの自宅にある机まわりの品々。机の上に置かれたグスタフ・クリムトの画集やスウェーデン製の木馬、草間彌生の水玉のかぼちゃの置物などなど、ほとんどは私の家にもありそうなごく普通のものですが、そんなところからもインスピレーションを得てしまうというユーミン。いつまでもみずみずしい感性を持ち続けるヒントを見つけられるかもしれません。
私のオススメは、「私のYUMING STORY」というコーナー。フィギュアスケートの羽生結弦選手、ラグビー日本代表の堀江翔太選手、JUJU、YOASOBI、ビートたけしら、各界の著名人が選んだユーミンの曲をスマホで聴くことができます。
ユーミンが創作した膨大な楽曲から自分の1曲を選ぶ。それぞれの方が選んだ曲が興味深かったです。もしもみなさんが1曲を選ぶとしたら何ですか?
『海を見ていた午後』も『中央フリーウェイ』も『Blizzard』も、どれも好きで、私は選べないなぁ。やっぱりユーミンは青春そのもの。いつまでも偉大だと、展覧会を見てあらためて感じ入りました。
横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)
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